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工事従事者に届け!マウスシールドを開発

2020/08/26 新潟建設新聞

 工事従事者のマスクによる熱中症等のリスクを軽減しようと、若手設計ユニット「スケール」がマウスシールド『涼し~るど』を開発した。

 A4サイズのクリアファイルを利用し、紙に印刷したデータを重ねて切り込みを入れて製作する。クリップでヘルメットに取り付け、サイズ調整もできる。クリップは専用のヘルメットクリップでなくても、ダブルクリップなどの利用も可能だ。

 スケールのメンバーは津田康平さん(福井県)、天野真登さん(新潟県)、奥野和希さん(大阪府)の3人。大手ゼネコンや鉄道会社で設計を担う20代の会社員だ。3人は広島大学工学部設計学研究室の出身。学生時代から同ユニットを結成し、コンペに参加するなどしてきたという。

 シールド作成は、現場の作業を目の当たりにしてきた津田さんの発案だった。「熱い中、マスクの着用を指導しなければならない立場だが、熱中症のリスクが心配。何とかしたいと思い、学生時代の仲間に声をかけた。ゼネコンで設計を手掛ける天野さんに状況を聞くと、同じ課題で困っているのが分かった」と話す。

 7月初旬に試作をスタート。目指したのは誰でも手軽に入手できる身近な材料で、安価に、簡単にできるもの。そして大切なのは、この夏に間に合わせること。本業の合間を縫って、LINEやWEB会議を駆使して試作を繰り返し、形になった。苦労したのは強度と顔を覆う面積のせめぎあいだ。実際に現場作業で使ってもらい、「風でバタバタして不快」「つけているのが気になる」といった感想をもとに改良を重ねた。

 広報は広告代理店に勤める奥野さんが手掛けた。手軽に作れるように解説動画も作成。海外での利用も視野に、ホームページには日本語と英語の解説を掲載している。

 現在HPにあるのはこの夏を目指して作成したvol・1。天野さんは「まだまだ気になる点がある。改良を重ねていきたい」と意気込む。

データはホームページhttps://mouthshield03.wixsite.com/freemouthshield等から無料でダウンロードできる。


【写真=ヘルメットに取り付けたところ】

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