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栃木県さくら市

さくら市、お丸山公園再生第5期エリア、21年度に園路実施設計

2020/08/29 栃木建設新聞

 さくら市は、お丸山公園(喜連川)の再生整備に向けた今後の方針を明らかにした。公園西側の喜連川城温泉やスカイタワーのある「さくら安らぎゾーン(第5期エリア)」が対象。2021年度に園路等の実施設計をまとめ、22年度以降の整備を予定。22年度以降にトイレ新設を検討している。喜連川城温泉(老人福祉センター)解体は今年度下半期に着工する。スカイタワーは電波塔としての活用を継続する。

 喜連川城温泉は1983年に建築。東日本大震災で被災し閉鎖していた。RC造3階建て延べ970・69平方m。震災後に一部取り壊しており、現存する施設の延べ床面積は887・4平方m。1階に温泉や健康相談所、2階と3階に休憩スペースがあった。

 民間からの解体が望ましいという意見や近隣の温泉施設利用で機能が補完できるため。また劣化状況調査で撤去費約7000万円に比べ改修費が約2億円と高額だったため実施に踏み込んだ。

 2019年度のサウンディング型市場調査では、跡地の活用方法として自然派カフェや自然食を提供する小屋型宿泊またはハイセンス宿泊施設の整備が例に挙げられた。解体設計はゆざわアーキデザイン(宇都宮市)に147万円で委託した。

 スカイタワーは1995年に建築。事務所棟がRC造平屋建て延べ136・08平方m、展望台がS造2階建て延べ283・05平方m。東日本大震災被災後も電波塔として活用されていた。

 来年度以降にタワー前の塀を安全対策で撤去し、簡易的なフェンスを設置する。劣化状況調査結果では、改修工事費に約2億円、撤去費に約1億2800万円、電波塔機能のみの新築費に約2億4200万円を推計した。

 サウンディング型市場調査では「お丸山のランドマークとして残す。ただし、安全面の配慮が必要」「利益が生まれる見込みがあれば修繕し展望スペースを活用」「壁面を生かしボルダリング施設として活用」などの意見が寄せられた。

 このほか「眺望と癒しの空間としては素晴らしいロケーション」「来客を想定した際の動線や交通量の面では立地的に不利」「立地条件(デメリット)に勝る魅力的な場所にならないと集客は厳しい」「建物の改修または撤去は市が実施してほしい」といった声も上がっている。

 お丸山公園の再生については2012年にお丸山地区再整備基本計画、14年にお丸山再生基本計画を策定。喜連川城温泉やスカイタワーが被災したため、18年度に被災劣化状況調査診断を実施した。

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