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茨城県神栖市

波崎に公営プール/設計進め来年度着工

2020/08/29 日本工業経済新聞(茨城版)

 神栖市は、波崎地域に新たな公営プールを建設するための基本計画をまとめた。建設予定地は波崎町の波崎体育館などが立地する豊ヶ浜運動公園(市有地)の一部。メインプール(800~900㎡)、共用部(250~300㎡)を合わせた全体の延べ床面積は1600~1800㎡。波崎地域の学校利用と地域利用を想定し、プールのほか温浴施設、談話室なども設ける。概算事業費は設計・工事監理費6800万円、工事費8億9600万円の合計9億6400万円。今後基本・実施設計を進めて2021年度に着工。22年度まで建設を進める。


 市内の小中学校のプールは老朽化しているため、学校利用を前提とした公営プールを整備し、集約することを計画。㈱建設技術研究所(東京都)へ委託して学校プール管理基本構想をまとめ、新たに公営プールを整備することにした。

 建設地は、公営プールがない波崎地域のうち、利便性やまちづくりの観点から運動施設がある豊ヶ浜運動公園の波崎体育館周辺(波崎9183―2ほか)として。公園の敷地面積は2万2586・26㎡。

 建設予定地は都市公園内で、建築基準法や都市公園法などにより用途や建築物の制限があるが、建築面積4000㎡程度のプール施設の建設は可能となっている。

 インフラについては、給水は南西側道路の本管(φ150㎜)から取水が可能。下水道は整備されていないため、プール排水は排水路への放水を想定する。ガスはプロパン利用。

 実際の建設可能範囲は2カ所で①波崎体育館の南東側②フットサルコート南側―。今後、詳細な設計に向けて場所を確定させる。

 新プールは波崎地域の中学校3校と小学校4校の利用を想定し、授業を行わない時間帯は、市民の健康増進のため一般市民の利用を可能とする。

 市では類似施設の事例などを踏まえ、新たなプールの要件などを検討。

 メインプールは300㎡(3㎡/人)程度、更衣室は100㎡(1㎡/人)程度とする。水深は大部分の児童や生徒が利用可能な1m程度。低学年向けに低床サブプールまたは段差による低床レーンを設置する。

 そのほかシャワー室、トイレ、ジャグジー、温浴施設、トレーニング室、談話室、事務室、機械室などを設ける。全体の延べ床面積は1600~1800㎡。

 階層については、敷地が津波ハザードマップで最大浸水深1m未満の区域があるため、1階のレベルを地面から一定程度高くし、2階に一時避難が可能なスペースや電気室を配置することを想定している。

 概算工事費の算定では、近年の他事例を参考に工事単価を51万2520円/㎡(税抜き)に設定。それに基づく建設費は9億6400万円(対象面積1740㎡)とした。

 内訳は基本設計1500万円、実施設計3900万円、工事監理業務1400万円、工事費8億9600万円。インフラの引き込み費用や什器・備品費などは別途を想定している。

 施設の基本・実施設計業務については今月27日に一般競争入札を開札。落札者の決定へ事後審査を行っている。履行期限は21年6月25日。

 設計策定後、21年度内の着工を目指す。工事は22年度まで行い、22年度末の運用開始を想定しているが、新型コロナウイルスの流行状況に影響される可能性もある。

 また基本計画では、温水プールの熱源を特定せず重油や電気の導入を想定しているが、機械室は重油ボイラーが設置可能な広さを確保しているが、電気の場合は屋外設置が一般的であるため、機械室の面積の見直しが必要になる。

 なお集約後の学校プールは、各学校の状況を踏まえて解体工事の計画などを策定する。



【表、図=新公営プールの必要諸室、建設可能範囲図】

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