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栃木県県土整備部

県県土整備部、若草、西川田住宅建て替え、来年度着手方針 若草80億、西川田50億円

2020/09/04 栃木建設新聞

 県県土整備部は、宇都宮市の県営若草住宅(若草)と西川田住宅(八千代)の建て替え事業に来年度から着手する方針を固めた。整備戸数は若草が300戸、西川田が170戸。いずれも現在地で住棟を3棟に集約の上で高層化。構造・規模は若草住宅がRC造8階建て延べ床1万7400平方m、西川田住宅がRC造6階建て延べ床9750平方mを予定。事業期間と総事業費は若草住宅が2021~33年度、約80億円、西川田住宅が21~35年度、約50億円を見込んでいる。

 若草住宅の周辺はとちぎ福祉プラザなどの福祉施設や医療、教育施設、西川田住宅の周辺は一般住宅や教育施設、鉄道駅が立地。いずれも幹線道路が近く、公共の交通利便性も高い優れた立地環境のため現在地で建て替える。敷地面積は若草住宅が1万6467平方m、西川田住宅が9924平方m。

 現在の若草住宅は1962~64年度に建設。住棟はRC造4階建て12棟、戸数304戸。西川田住宅は61~63年度に建設。住棟はRC造4階建て5棟、160戸。

 建設から60年近くが経過して老朽化が進み、温熱環境や遮音性といった住宅性能も現行の整備基準を満たしていない。入居者の半数近くが高齢者となっており、エレベーターの設置や段差解消などバリアフリー化も求められている。

 建て替え事業で入居者の安全や居住水準を確保するとともに、高齢者や子育て世帯など誰もが安心して快適に暮らせる居住環境を整備する。両住宅ともこれまでなかった駐車場を整備。階段廊下は片廊下型とする。

 若草住宅は移転補償を21~29年度、基本設計を21年度、実施設計を22~29年度、工事を23~33年度に予定。

 事業費は測量設計費に約4億円、工事費に約75億円、移転補償費に約1億2000万円を試算。

 西川田住宅は移転補償を21~31年度、基本設計を22年度、実施設計を24~35年度、工事を24~35年度に計画。

 事業費は測量設計費に約2億円、工事費に約47億円、移転補償費に約8000万円。両住宅とも財源は国費50%、県費50%を見込んでいる。

 敷地内で住棟を集約、高層化することで現在とほぼ同じ戸数と駐車場スペースを確保するとともに、建設費や維持管理費を縮減。発注スケジュールなどを工夫して事業コストの平準化を図る考え。

 新規事業化にあたり、3日から10月2日までパブリックコメントを実施。11月に予定される県公共事業評価委員会で審議される。

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