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茨城県鹿島地方事務組合

三菱重工環境に/新ごみ処理施設プロポ優先者/135億8800万円提案

2020/09/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 鹿島地方事務組合(管理者=石田進神栖市長)は、公募型プロポーザル方式で事業者選定を進めている新可燃ごみ処理施設整備事業で、優先交渉権者に三菱重工環境・化学エンジニアリング㈱(横浜市)を選んだ。同社の提案価格は135億8800万円(税抜き)。コンパクトな配置提案や周辺に配慮した工事車両計画、騒音・振動などの抑制提案などを評価した。今後は同社との仮契約を10月初旬に締結し、10月下旬の組合議会に設計・建設工事請負契約の議案を提出して議決を得る。議決後、本契約を結んで設計作業に着手。工事は2024年3月までの予定で、24年4月の施設稼働開始を目指す。

 新施設は、鹿嶋市と神栖市の可燃ごみRDF化施設の老朽化に伴い、新たなエネルギー回収型の可燃ごみ処理施設として整備する。

 事業者の選定に当たっては、価格と提案内容によって優先交渉権者を決定する公募型プロポーザル方式を採用。2市の入札参加資格者名簿に登録されている清掃施設工事の総合評定値(P)が1000点以上の特定建設業者(清掃施設工事)を対象に参加者を募った。

 公募の結果、三菱重工環境・化学エンジニアリングのほかに日鉄エンジニアリング㈱(神栖市)、日立造船㈱(大阪市)が申請書を提出。そのうち三菱重工環境・化学エンジニアリングのみが提案書類を提出した。

 提案内容については技術評価と価格評価を実施。技術評価は施設計画や配置計画、処理システム、施工計画、環境対策、財政負担の低減、地元配慮などを審査。満点50点のうち同社の配点は32点だった。価格評価は見積上限額(138億円、税抜き)に対し同社の提案価格は135億8800万円で、価格評価点は50点となった。

 同社の総合評価点は合計82点で、同社を優先交渉権者に選定した。

 審査講評では、事業目的を理解し、プラントメーカーの創意工夫やノウハウが盛り込まれ、狭い敷地を立体的に有効活用してコンパクトな配置を実現している中、ダンピングボックスを1門追加するなど、発注の仕様要件を上回る提案だったことを評価。

 建設予定地は工業専用地域で、周囲を多くの企業に囲まれていることに配慮し、周辺企業の通勤時間帯や隣接工場の定期修理時期を考慮した工事車両計画になっていること、周辺企業への騒音や振動、粉じんなどの抑制・防止に配慮した提案であることも評価した。

 新ごみ処理施設の建設地は鹿島共同再資源センター(神栖市東和田21―3)の敷地約1万㎡。

 処理を行う対象物は可燃ごみ(5万44t/日)、可燃残渣(4765t/日)、し尿など汚泥(2409t/日)、災害廃棄物(4667t/日)。処理方式は全連続運転式ストーカ炉で、2炉。処理能力は24時間運転で230t/日、エネルギー回収方法は発電および場内温水など。

 必要となる諸室は事務室や給湯室、更衣室、会議室、書庫、トイレ、見学者用廊下、エレベーター、運転員用の休憩室、脱衣室・シャワー室など。

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