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茨城県水戸市

偕楽園周辺/店舗立地も誘導/用途地域の見直しへ/表門の活用策も検討

2020/09/18 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市は偕楽園周辺について、来訪者が立ち寄る飲食や物販などの店舗立地を誘導しながら住環境との両立が図れる用途地域への見直しを計画している。地元の意向を踏まえ素案を作成し、市議会の常任委員会などに示した上で法定手続きを進めていく。


 市議会定例会の袴塚孝雄議員の代表質問(14日)への答弁で示した。

 袴塚議員は、偕楽園において東門からの入園が常態化しており、創設者・徳川斉昭公の意図した本来のルートである表門から入門し、竹林や杉林を進んで広場へ出る「陰から陽」の対照的な雰囲気を味わう動線が確保されていないと指摘。

 来園者を表門へ誘導し、本来の楽しみ方を提示することで魅力向上や活性化につなげていくことが重要であると訴え、偕楽園周辺の用途地域変更や表門の活用策検討の進捗状況を質した。

 市では表門周辺の偕楽園北側および東門周辺の御成門通りから南側のエリアにおいて、用途地域見直しの検討を進めている。第1種低層住居専用地域であり、飲食や物販など来訪者が立ち寄って休憩できるような建物が立地できない。

 そのため、一定の店舗の立地を許容しつつ住環境との調和が図れる第1種住居地域等複合系の用途へと見直すことで、土地利用の変化を期待している。

 表門通りから本来の入り口である表門への回遊を促し、東門を出て御成門通り沿線で一息つくといった時間消費型のまちづくりを進め、リピーターの増加による地域活性化へとつなげていく考えだ。

 現在は地元説明に向け準備を進めている。地元の意向を踏まえ都市計画変更素案を作成し、市議会の建設企業委員会や都市計画審議会に示した上で手続きを進める方針。

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