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国土交通省北陸地方整備局(建設),その他記事(公共)

ICT法枠工で見学会、新技術の理解深める

2020/09/29 新潟建設新聞

 北陸ICT戦略研究会は24日、2020年度初のICT活用工事現場見学会を開いた。20年度から新たにICT工種となった法面工(吹付法枠工)による防災事業で、県内の団体・自治会から30人が参加し、最先端の技術や機器について意見を交わした。

 現場は阿賀町地内の「R1八木山地区外防災工事」で、受注者の興和から同工事の現場代理人を務める月岡浩氏が工事概要を説明。

 北陸地方整備局新潟国道事務所の職員は、国土交通省がまとめた直近4年間のICT活用工事(国発注)の実施状況を報告。最新データの19年度完成工事では全国でICT活用工事の公告件数2710件に対し2132件が実施され、実施率は18年度から24ポイント増加の79%に上昇したことを報告。都道府県・政令市の実施状況も7ポイント増加し、実施率が29%となったことを伝えた。

 現場見学では2班に分かれ▽3D計測機のデモ、法枠モデルを使ったMR(=W)▽CIMツールの活用、3Dデータによる出来形管理、法枠モデルを使ったシミュレーション―などを体験した。

 北陸地方整備局企画部施工企画課の工藤大輔課長補佐は、ICT施工について「工事の安全性、効率性を向上させ、国は建設産業全体で2割の生産性アップを目指している。ICT対象の工種拡大では21年度までの計画が示されているが、その後も新たな活用法や機器が出てくるだろう。受・発注者一体となってICTに対する理解を深めていきたい」と話した。

 20年度に国がICT施工の新対象工種と指定したのは、吹付法枠工のほか▽地盤改良工(深層)▽舗装工(修繕)▽基礎工・ブロック据付工(港湾)―の計4工種。19年度までに7工種でICTの導入を行った。


W=Mixed Realityの略で、日本語で「複合現実」。現実世界と仮想の世界をITを使い融合させる技術。


【写真=MRモニターを覗き込む参加者】

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