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広域連携に向け検討/協議会設立、22年度にプラン/県内水道事業

2020/10/14 長野建設新聞

 持続可能な水道事業経営の体制づくりに向けて、広域化・広域連携の推進や将来的な水道の在り方などを検討する「長野県水道事業広域連携推進協議会」が12日に発足した。2022年度をめどに広域化推進プランを策定するほか、水道事業者間の情報共有により、水道施設台帳整備の推進など、できる施策は速やかに実行していく。

 協議会には県と市町村76団体(構成員52、オブザーバー24)、企業団3団体(浅麓、佐久、上伊那広域)が参加。座長は県の小林透公営企業管理者を互選した。

 本格的な人口減少社会を迎え、水道事業は水需要の減少に伴う経営環境の悪化が懸念されており、施設の老朽化や人材不足といった課題にも直面している。12日の設立総会で講演した厚生労働省の熊谷和哉水道課長は「事業統合や経営統合だけでなく、業務の実施方法(発注方式、事業運営方式、労務管理、顧客管理、検針・徴収など)を統一化・標準化することも広域化の一つ。直ちに事業統合することは住民感情的にも難しいが、統一化・標準化は内部努力でできる。これができていれば、来るべきその時にスムーズに移行できる」「広域化のブロックを検討する際、初めからきれいに分ける必要はない。議論を始めるための区切りとして設定し、議論の過程で各事業者が判断していけばよい」などと話した。


■水道施設台帳整備も推進

 協議会では水道施設台帳の整備推進にも取り組む。同台帳は水道施設の適切な維持管理や計画的な更新に不可欠であり、水道法において22年9月までに整備することが求められている。

 県が今年3月に実施した独自調査によると、電子媒体による水道施設台帳のデータ保有状況は上水道・用水供給事業で「ある」31%、「一部ある」36.2%、「ない」32.8%、簡易水道事業で「ある」20%、「一部ある」48%、「ない」32%と道半ばの段階。整備すべき調書・図面ごとの状況を見ると施設平面図や管路等調書(管路)が未整備である割合が高い。【表参照】

 協議会の設立に先立ち、今年に入り各水道事業者が共通の施設台帳を整備できないか検討を開始しており、協議会の下にワーキンググループを設置し、将来的には統一基準で台帳を整備し、情報を共有する方向で調査・研究を進めていく。

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