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東日本建設業保証(株)新潟支店

業務の前払金アンケートで9割が制度に有効性

2020/10/15 新潟建設新聞

 東日本建設業保証新潟支店は測量、調査、設計業務での前払金の活用に関するアンケート調査を実施した結果、87・9%が業務の円滑な履行や品質の確保に有効としている。業務での前払金制度は県内30市町村のうち▽三条市▽加茂市▽胎内市▽阿賀町▽出雲崎町▽刈羽村―の6市町村で、未整備となっている。また導入済み24市町村でも2019年度に活用実績があったのは20市町村だった。

 アンケート調査は、改正品確法で、測量、地質調査その他調査および設計が法律の対象に位置付けられ、運用指針でも前払金制度の活用等により、受注者の資金調達の円滑化を図ることが求められたことから実施。測量・調査・設計を主たる業務とする県内の事業所で、過去3カ年に同支店で前払保証実績があった148者を対象に行われ99者から回答を得た(回答率66・9%)。

 前払金の活用による業務の円滑な履行や品質の確保への効果について聞いた設問では52・5%が 「極めて有効」、35・4%は「有効」と回答し、全体の87・9%が有効性を感じている。

 また前払金を請求したいのに、請求できなかった理由を尋ねる設問では、55・5%が「制度なし」と答えた。そのほかの理由では「金額が少額」が25・9%、「期間が短い」が11・1%だった。そのほか「工事監理業務が制度対象外」「市町村発注業務は前払金が支出されないものだと理解していた」などの回答があった。

 前払金の活用状況を調査した質問(複数回答可)では「ほとんど全て」とする業者が24・5%、「一定の契約金額以上の業務」が38・5%、「一定の契約期間以上の業務」が9・8%のほか、「会社の資金繰りにより判断」「発注者から指示のある業務」などの答え。

 主な用途では、「技術者の人件費」が81・4%で最も多く、次いで「外注費」14・7%「材料費」2・7%などとなる。

 同支店では、アンケート調査を踏まえて、前払金の採用と活用に向けてさらに制度の普及促進に努める考え。

 業務の前払金制度は、特に小規模自治体で普及していない要因には金額や工期が小さく、必ずしも必要性が高くない場合が考えられるが、受注企業の選択肢として資金調達の手段が多様化している方が良い。

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