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最短で25年度想定/千葉中央CCの整備開始/サウンディング調査経て/千葉市

2020/10/26 日刊建設タイムズ

 千葉市は、新庁舎周辺の活性化やにぎわい創出に寄与する事業手法の導入を目的として、「千葉中央コミュニティセンター」および「市役所本庁舎将来活用検討地」に関するサウンディング型市場調査の手続きを23日に開始した。調査の対象者は、対象地における新規開発や新規出店などの事業実施に関心のある民間事業者またはそのグループ。業種・業態は問わない。千葉中央コミュニティーセンターについて7つの事業手法を想定しており、最短で2025年度半ばの整備開始を見込む。

 調査においては、両対象地または千葉中央コミュニティセンターのみに関する提案を求めているため、市役所本庁舎将来活用検討地に限定した提案は受け付けない。また、当該地全面を事業用地とする想定だが、用地の一部を対象とした提案も認める。

 敷地について事業用定期借地契約を結んだ上での民間事業者による活用を原則としているが、その他の提案も妨げない。

 事業用定期借地契約による場合、存続期間は10年以上50年未満。利用目的については事業用建物所有に限定され、居住用は不可。契約終了時、借地人は原則、建物を取り壊して土地を返還する。

 千葉中央コミュニティセンターの想定される施設整備パターンは▽A=既存建物を市が解体し、民間事業者が民間施設を整備▽B=既存建物を市が解体し、民間事業者が民間施設を整備後、市が必要面積を借り受ける▽C=民間事業者が既存建物を購入し、民間施設として改修整備▽D=民間事業者が既存建物を購入し、民間施設として改修整備後、市が必要面積を借り受ける▽E=民間事業者が既存建物を購入後、4階以上を減築改修し、民間施設を整備▽F=民間事業者が既存建物を購入、4階以上を減築改修し、民間施設を整備後、市が必要面積を借り受ける▽G=市により既存建物の4階以上を減築改修し、民間施設として利用可能な面積を民間事業者が借り受ける。

 各パターンにおける最短整備開始可能時期の想定は、C・D・E・Fが25年度半ば、そのほかが28年度当初。

 千葉中央コミュニティセンターは、中央区千葉港2―1の面積8244・58㎡に位置。建物はSRC造地下3階地上10階・塔屋2階建て、建築面積5650・58㎡、延べ床面積5万1801・61㎡、1974年9月の建築。旧耐震基準となっており、最小Is値0・55。

 フロア構成は▽地下3階・地下2階=駐車場▽地下1階=テナント、市役所事務所機能▽1階=テナント、市住宅供給公社、市役所事務所機能▽2階=市国際交流プラザ、市国際交流協会、市役所前市民センター、市政情報室、市役所事務所機能▽3階=市役所事務所機能▽4~6階=市中央コミュニティセンター▽7階=市役所事務所機能▽8階=青少年サポートセンター、市役所事務所機能▽9階=市役所事務所機能▽10階=テナント、市観光協会、市役所事務所機能――となっている。

 市役所事務所機能は、2023年度早期の供用開始が計画されている新庁舎に集約する予定。

 4~6階の市中央コミュニティセンターは、年間利用者数28万2340人(16~19年度平均)。▽諸室=集会室、サークル室、講習室、料理実習室、和室、茶室、語学練習室、多目的室、美術・視聴覚室、ホール、音楽室、図書室、幼児室、ロビー等供用部▽スポーツ施設=体育館、柔道場、剣道場、プール――で構成。

 再整備にあたり、利用人数や稼働率を踏まえて施設規模を縮小することとし、諸室については既存の構成等にこだわらない。スポーツ施設のうち、体育館、柔道場、剣道場は「公共施設等適正管理推進事業債」を活用し(仮称)千葉公園体育館に集約することから再整備を行わない。プールについては検討中で、提案の必須条件としていない。また、施設専用駐車場の整備も提案の必須条件ではない。

 再整備後においても、指定管理者制度を活用した施設管理を想定している。

 また、市役所本庁舎将来活用検討地は、中央区千葉港1―1の一部の面積約1ha。新庁舎整備工事に伴い、24年度ごろまで活用できない見込み。現本庁舎の雨水管・汚水管・アスファルト舗装などが残置されるため、取り扱いについては調整が必要となる。

 両対象地はいずれも市街化区域、商業地域、準防火区域、駐車場整備地区。建ぺい率80%・容積率400%。地目は宅地。

 対話は、提案概要を記載したヒアリングシートを基に、個別に実施。所要時間は30~60分程度。

 対話の内容は▽千葉中央コミュニティーセンター=当該地を活用した事業手法、既存建物の取り扱い、市と関連組織の入居機能、当該地を活用した事業アイデア▽市役所本庁舎将来活用検討地=当該地を活用した事業手法、残置物の取り扱い、当該地を活用した事業アイデア。

 事業手法に関しては、当該地において市が想定する手法や敷地の活用条件の実現可能性、市の目的を実現する手法、用地の使い方、整備イメージ、コンセプトなどを聞く。

 事業アイデアについては、当該地のにぎわいづくりや活性化につながる方策のほか、両対象地で事業用定期借地契約を締結して施設整備を行う場合に相乗効果が見込まれる活用方針などを求める。

 今後は、11月6日に事前説明会・現地見学会・意見交換会の参加申し込みを締め切り、同月10日に事前説明会・現地見学会・意見交換会を千葉中央コミュニティセンター8階千鳥・海鴎で開催。質問を同月24日まで受け付ける。

 さらに、エントリーシートの提出(対話の参加申し込み)を12月9日、ヒアリングシートの提出を同月23日に締め切り、21年1月4~18日に市役所本庁舎で対話を行う。結果概要は同年3月ごろの公表。その後、対話を踏まえて方向性やスケジュールなどを検討し、公表する。

 事前説明会・現地見学会・意見交換会の参加申込書、質問、エントリーシート、ヒアリングシートについては、資産経営課(shisankeiei.FIA@city.chiba.lg.jp)に電子メールで提出する。

 実施要領や提出様式などは、市ホームページ(https://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/shisan/shisan/r2_sounding_chiba-chuo-community-centers.html)からダウンロードできる。

千葉中央コミュニティセンターにおける事業手法

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