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大成建設と伊那市が協定

2020/11/13 長野建設新聞

伊那市で道路空間の新しい利用方法に関する実証実験がスタートする。道路舗装大手の大成ロテック(西田義則社長、本社=東京都新宿区)と伊那市は11日、「道路空間整備システム構築プロジェクトに関する協定書」に調印した。本年度は利用実態調査を行い、来年度から地域課題を抽出。2022年度に空間整備システムの構築につなげていく。

協定式の調印後、白鳥市長は「地方都市の新しい道路空間、新しい移動手段について考えるプロジェクトにこの伊那市を選んでいただき感謝申し上げる。これから始める実証実験は日本で初めての取り組み。伊那市が進めている新しい時代への取り組みである新産業技術分野の中で、CO2削減や脱炭素社会への挑戦を考えるうえで移動手段として有効性や優と位性のある自転車をもっと導入していかなければならないと考えている。地方都市で仕事をしながら自転車を使って移動したりアクティビティに挑戦することは、これからの時代にもかなっていること。実験を通じてそのような提案をしていただきたい」と期待した。

続いて西田社長は「われわれは、地域社会のために既存の道路空間を新しい利用方法に関する研究と、自転車などのパーソナルモビリティを中心とした新しい移動体系の研究を推進している。その実証実験に協力をいただける地方都市を探すにあたりモビリティジャーナリストの楠田さんに相談したことろ伊那市をご紹介いただいた。伊那市は地方都市から先端情報を発信する高い志を掲げられ、未来を見据えて先進的な技術開発を意欲的に進められており、ぜひ皆様と新しい移動体系が実現できる道路空間整備のプロジェクトを一緒にさせていただきたいと考えた」と経緯を説明した。また西田社長は、近い将来、地域社会へ向けた確かな一歩になることを確信していると自信を見せた。

島崎所長はプロジェクトについて、本年度は全国の地方都市の道路実態を調べ課題の調査を開始し、「舗装に移動の障壁があるのかどうかなども調査していきたい」と述べた。また「自転車や車椅子といったパーソナルモビリティが歩行空間だったりする。自転車からの視点で点検する技術をシステム化することを考えている。自動車と共存するため、アウトプットできるシステムを想定している」とし、早ければ3年後に実装化したいとする考えを示した。

現在の自動運転システムは、歩行者と自転車が混在する道路空間への実装には、安全面を中心に課題が多く、普及に向けては低コストで既存道路を高度化し、メンテナンスできる技術が求められている。

協定に至るまでに日本自転車文化協会の御子柴氏やモビリティジャーナリストの楠田さんが協力。調停式に同席した。

大成ロテックと伊那市

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