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栃木県佐野市

佐野市 立地適正化計画案、4エリアに都市機能誘導

2020/11/18 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市は、立地適正化計画案をまとめた。計画期間は2021~38年度の18年間。都市機能誘導区域は中心市街地(佐野駅・佐野市駅周辺)、田沼市街地(田沼駅・田沼行政センター周辺)、葛生市街地(葛生駅・葛生行政センター周辺)、佐野新都市に設定。居住誘導区域は都市機能誘導区域の周辺を基本に定める。

 佐野駅・佐野市駅周辺は市役所や佐野厚生総合病院等が集積した市全体の拠点。市役所や病院は周辺地域からも利用があり、文化施設や商業施設(日常・買い回り品)、子育て施設、にぎわい再生に対するニーズが高い。都市機能に関する方向性では行政や商業・業務、文化、観光などの充実・集積、中心市街地の活性化や空き家・空き地などの低・未利用地の活用でまちなかのにぎわい創出を図る。

 田沼駅・田沼行政センター周辺は市民病院やスーパー等が立地。病院や商業などは葛生地域からも利用されており、総合病院の維持や文化施設、子育て施設に対するニーズが高い。都市機能に関する方向性では鉄道や行政・医療機能の立地を生かし、居住の誘導で安心して生活できる環境の形成を図る。また、空き家・空き地などの低・未利用地の活用でまちなかのにぎわいを創出する。

 葛生駅・葛生行政センター周辺は美術館や化石館、葛の里壱番館といった文化・交流施設が立地している半面、子育て支援施設が立地していない。買い物は田沼地域に行く住民が多く、地域内の商業機能の維持や確保が課題。行政機能や文化・交流機能維持ニーズが高い。

 都市機能に関する方向性では鉄道や行政機能の立地を生かし、行政や商業、居住などの集積を図り地域の中心として利便性の高い居住環境の再生を進める。また、観光的資源や歴史的資源などの保全・活用と観光振興を図る。

 佐野新都市は大型商業施設を中心とした商業機能が多数立地しており、市全体から買い回り品を買うために訪れる人が多い。都市機能に関する方向性では公共交通の利便性や既存大学の立地を生かし、観光型広域商業機能や学術機能の強化を図る。また、土地利用の整備で商業・業務、居住などが調和した土地利用を促進する。

 維持・誘導すべき拠点の機能は佐野駅・佐野市駅周辺が①行政機能や医療機能、文化機能等の既存の都市機能維持による利便性確保②子育て支援機能の確保③にぎわいを再生するためのまちなかでの商業機能の確保。田沼駅・田沼行政センター周辺が①行政機能や医療機能、商業機能等の既存の都市機能を維持②子育て支援機能の確保③まちなかでの生活利便施設の確保と居住環境の再生。

 葛生駅・葛生行政センター周辺が①行政機能や文化機能、商業機能を中心とした地域生活を支える都市機能の維持、集約化②葛生行政センターや葛の里壱番館、美術館、化石館などが集積するエリアは文化・交流機能を強化し、地域の交流拠点化を図る。佐野新都市が市内外からの商業ニーズに対応した既存の観光型広域商業機能を生かした商業拠点の形成。

 届け出制度の対象エリアは都市機能誘導が都市機能誘導区域外。対象行為は開発行為や建築等行為、都市機能誘導区域内で誘導施設を休止・廃止しようとする場合など。

 居住誘導の届け出対象エリアは居住誘導区域外。対象行為は3戸以上の住宅開発・新築、1000平方m以上の規模の開発行為、3戸以上の住宅への改築・用途変更など。届け出は開発行為等に着手する30日前までに行う。

 計画策定は持続可能な都市構造への転換を目指し、中心市街地活性化や公共施設再編と合わせた地域の集約化・複合化などの各種取り組みと誘導施策をより効率的に整合を図りながら進めることが目的。

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