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県 産業団地開発を決定、鹿沼44.7億、下野68.4億、鹿沼東21年度、西坪山東22年度着工へ

2020/12/11 栃木建設新聞

 県は10日、下野市と鹿沼市の新産業団地開発事業の採択と事業主体を決定した。(仮称)鹿沼東工業団地(鹿沼市深津、約24・3ha)は県企業局、西坪山工業団地東地区(下野市下坪山、花田、絹板、約33・3ha)は県土地開発公社が担当する。2020年度末に両地区とも市街化区域に編入し、用地取得を進めていく。鹿沼東は21年度、西坪山東は22年度に着工予定。総事業費は鹿沼東が約44億7000万円、西坪山東は約68億4000万円を見込んでいる。

 鹿沼東は企業局、西坪山東は土地開発公社が19~20年度の2カ年間をかけ、基礎調査を実施していた。両地区の基本設計は19年度、個別に栃木都市計画センター(宇都宮市)に委託された。今後は実施設計に移行し、両市と連携しつつ用地取得交渉に入る。

 両市とも手持ちの産業団地が完売し、企業ニーズに応じ切れていないのが実情。数年前から市独自に産業団地の開発可能性調査に着手。複数の候補地の中から開発適地を絞り込み、実現可能性を探っていた。併せて県に対し、県機関による開発を要望していた。

 【鹿沼東】

 計画地は、東北自動車道鹿沼ICから南東約3・5㎞地点に位置。県道路公社が管理するさつきロード(宇都宮鹿沼有料道路)周辺の農地、山林、宅地、雑種地。鹿沼工業団地や国道121号に近接し、鹿沼第2工業団地的な位置付けとなる。

 開発面積24・3haのうち、分譲面積は17・6ha。区画割りは1街区4・3ha、2街区2・5ha、3街区1・9ha、4街区4・5ha、5街区4・4ha。街路の幅員は6・5m、9・5m、12m。北側に調整池1カ所を配し、東南部に逆L字型に緩衝緑地帯を設ける。

 土地は中央部分が低い谷形状。地区北東側は植竹川用水に沿って水田が広がり、南東側は斜面林。南西側は田畑の利用のほか、宅地が点在する。幹線道路のさつきロード以外に系統だった道路は整備されておらず、周辺部の道路幅員はいずれも狭小。

 雇用創出による人口減少の克服と地域経済の活力維持につながる企業誘致を図る。誘致企業は製造業や物流業を想定。市税収入の安定確保、定住促進に結び付ける。新産業団地整備は現在4期目の佐藤信市長が3期目の選挙公約に掲げていた。

 【西坪山東】

 計画地は北関東自動車道宇都宮上川ICから南へ約15・5㎞、壬生ICから南へ約16・5㎞に位置。西坪山工業団地東側に位置する山林や農地。新4号国道に近接し、圏央道五霞ICから1時間以内。下野スマートICの整備が予定され、広域交通網が充実。

 地区東側を一般県道結城石橋線が南北方向に縦断。北側近接地を主要地方道栃木二宮線が東西方向に横断している。新産業団地へは西坪山工業団地東側の市道1-16号線を進入路とする。地区北側では仁良川地区土地区画整理事業(91・4ha)が施行中。

 開発面積33・3haのうち、分譲面積は24・3ha。区画割りは1街区2・64ha、2街区7・4ha、3街区4・86ha、4街区2・75ha、5街区3・64ha、6街区3・01ha。街路面積は2・41ha、幅員は9m、12m。西側山林エリア2・7haは保存緑地。

 西側の緩衝緑地帯は0・64ha、北側の緩衝緑地帯は0・5ha。西側中央部に2・34haの調整池1カ所を配し、1級河川西仁連川に放流する。公園は2カ所で0・41ha。魅力ある産業団地を造成し、若者雇用の促進、地場産業の活性化、税収増につなげる。

 新4号国道は交差点の立体化や6車線化が進み、利便性が飛躍的に向上。沿線近くに産業用地を創出すれば、企業の進出意欲を喚起できると判断。西坪山、下坪山の両団地との連携や企業間の有機的な結び付きが強化され、相乗効果が期待できる。

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