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群馬県川場村

役場など拠点整備事業は基本設計が大詰め

2021/01/09 群馬建設新聞

川場村は、役場庁舎の建て替えを中心とする拠点整備事業について、年内の工事着手に向けて準備を進めていることを明らかにした。拠点構想設計業務はプランツアソシエイツ(東京都中野区)が担当。拠点のうち先行して整備する役場庁舎、図書館、ホールの基本設計作業が進んでいる。秋口には実施設計を完了させたい考えでおり、2021年度予算に関係費用の計上が見込まれる。整備事業は26年度までの期間で用地、設計、工事など総事業費に約36億7000万円を見込む。

計画地は、現在の役場から南西方向に進んだ谷地字原地内。架設工事が進む村道谷地生品線の(仮称)姥堂大橋から役場に向かった左側、村商工会館に隣接するエリアで、村営上宿原土地改良事業により創出される非農用地約2・3ha。土地改良は20~22年度の3カ年で実施され、非農用地は村が取得する。すでに農地転用、開発申請などに取り組んでいる。

拠点整備事業は役場および図書館、ホールを中心とした基本設計が進む施設を商工会館側に配置する。残る部分を産学連携施設エリアと想定している。

現在の役場庁舎は建設から46年が経過し、老朽化に加え耐震基準を満たしていない状況から、災害時の対策本部機能を備えた災害支援拠点となる庁舎として移転・整備する。想定している規模は、2階建て、延べ床面積約2000㎡。構造は木造を予定しており、必要な木材について、村有林から調達する準備を進めている。先人が植林し代々管理しながら受け継がれてきた川場の木を、新たな村の財産としていきたい考え。

図書館は、文化会館内にある図書室が、児童・生徒の学習や住民の閲覧スペースがないといった課題を抱えているため、整備する考え。300㎡規模を想定している。ホールは、交流施設の位置付けで計画。村の観光施設と連携し交流人口増加、農産物の展示会や品評会なども行える、四季を通じ多目的に使用できる交流ホール。約400㎡を見込む。

3つの中心機能の連携を図るため、集約して立地させる。基本設計はそれぞれで作業しており、配置などは実施設計に入る段階で固めていく。

おおむね基本設計を年度末までに仕上げて、年度明けから実施設計へ移行する流れ。今後は、事業用地取得などの施設整備に向けた作業が設計と並行して行われる。秋口を目途に実施設計がまとまる方向のため、工事費用を21年度当初予算に計上するかは流動的となっている。外山京太郎村長は年内工事着手を示しており、遅くとも11月の入札、12月議会での工事契約承認のスケジュールとなる。

なお、拠点として計画している施設には3機能のほか消防車庫、地産地消キッチン(防災トイレ併設)などがある。

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