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新潟県見附市

22年度から設計着手/耳取遺跡整備スケジュール案示す

2021/01/26 新潟建設新聞

 見附市は、耳取遺跡の史跡整備に向けて、アクセス道路やガイダンス施設、調整池などの整備を計画している。2021年度から測量に着手し、22年度から設計、25年度からの着工を予定している。同史跡を整備し、公開・活用することで、本質的価値を広く伝えることを目的に整備基本方針を策定した。

 事業計画では、21年度から用地測量と地形測量に着手。設計は基本設計を22・23年度でまとめ、実施設計は登山道とアクセス道路を24・25年度、指定地内、指定地外ガイダンス施設設計を28・29年度に行う。工事は、25年度に登山道、26年度に調整池、27年度にアクセス道路、その後指定地内、ガイダンス施設と進め、33年度のグランドオープンを目指す。

 指定地内には、史跡指定地、集落遺構上に「遺跡見学ゾーン」、史跡指定地南側および史跡指定地外に「縄文の暮らし体験ゾーン」、史跡指定地北側に「三千年の杜ゾーン」、史跡指定地北側と史跡指定地外に「縄文植物観察・採取体験ゾーン」の設置を計画。

 整備に当たっては、史跡耳取遺跡を保存し、適切な管理を行うとともに、地域活性化につながる案内板や解説板、管理・便益施設、アクセス道路、修景、植栽などを行う。

 管理・便益施設については、史跡指定地内でイベント体験などを想定していることから、トイレや荒天時などに避難できる休憩施設を周辺に設置。縄文の環境・景観を損なわないよう最小限の数にとどめ、デザインにも配慮する。設置は管理棟(300㎡程度)1カ所、トイレ・洗い場2カ所、ベンチ10基を想定。

 「遺構見学ゾーン」「三千年の森」は平常時に電気や給水が不要な活動の場とし、「縄文の暮らしゾーン」は、ものづくり体験や宿泊体験を想定しているため、指定地外に電気・給水設備を敷設する。

 名木野町にある耳取遺跡は、市街地の南約2kmにある標高70~77mの丘陵上に位置する縄文時代の遺跡。丘陵の頂部は約5万㎡にもおよぶ平坦地が広がり、一部に草原があるものの、大部分は林となっている。15年10月には国史跡に指定された。

 市は18年3月に「国史跡耳取遺跡保存活用計画」を策定。適切な保存で次世代へ継承し、憩いと学びの場へ整備する。

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