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栃木県河内農業振興事務所

河内農振、21年度設計、22~24年度工事、赤川ダム取水設備と洪水吐改修

2021/01/29 日本工業経済新聞(栃木版)

 県河内農業振興事務所は、赤川ダム(宇都宮市福岡町)の長寿命化と防災減災対策の事業計画を固めた。国に採択申請し、2021年度から事業に着手する予定。取水施設の塗装や更新、洪水吐の補修を実施する。事業期間は24年度まで。21年度予算として2000万円を要求しており、実施設計を5月頃に委託する考え。工事は22~24年度に進める計画。総事業費は1億1600万円を見込んでいる。

 赤川ダムは建設から50年が経過。26年前に取水塔の塗装や設備の一部更新を実施したものの老朽化が進み、洪水吐などのコンクリートに摩耗や亀裂が発生。設備類も塗膜が劣化し腐食している。

 機能の低下は安定的な営農に加え、宇都宮市が検討する豪雨時の事前放流など防災減災の取り組みに支障が生じる恐れがあり、補修や補強、更新を実施。施設の長寿命化と農業用水の安定確保を図る。受益面積87ha、受益者数は168戸。

 計画では取水塔とフロート設備の本体を再塗装。フロート設備の防塵スクリーン、ガイドローラ、開閉装置の油圧ユニットや配管、ウィンチ、バタフライ弁類は更新する。

 洪水吐工の延長は一般部149・1m、サイクリングターミナルと堤体を連絡している橋梁部6・5m。一般部は底版の表面被覆と側壁のひび割れ補修を実施。いずれもエポキシ樹脂による施工を計画。ボックスの橋梁部は幅約4m、高さ約5mの内空をコンクリートによる接着(増厚)工法で補強。取水塔操作室はひび割れ補修と屋上防水工事を予定している。

 工事は塗装や設備機器を実施した後、洪水吐の補修を検討中。赤川ダムは市森林公園の中心的な施設で市民の憩いの場となっており、各年度の工事箇所など進め方について市や城山土地改良区と協議し、決定していく。

 赤川ダムの概要は堤長221m、堤高17・5m、堤体積11万4651立方mのアースダム。貯水量32万7000立方m、余裕高1・12m、天端幅6・5m。取水量は0・32立方m/秒。耐震診断は実施済みで耐震性に問題はない。計画樹立業務はNTCコンサルタンツ東京支社(東京都中野区)が担当した。

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