北陸新幹線（金沢・敦賀間）の整備に当たり工事の遅延と事業費増加が生じたことに伴い、国土交通省から業務改善命令を受けた整備主体の鉄道・運輸機構が、国土交通大臣へ改善措置を報告した。工程管理・事業費管理体制の見直しに向けた事業執行体制の強化では、実質的に北陸新幹線整備の大きな責任と権限を負っていた大阪支社を本年度末で廃止し、２０２１年４月から新たに「北陸新幹線建設局（仮称）」を置く。局長は福井市、副局長は石川県小松市に配置するほか、一定のエリアごとに工程・事業費管理の責任者を明確化し、現場の中心である小松市、福井市、福井県敦賀市に配置する。

　本社のチェック機能強化も図り、１カ月以上の工期遅延が見込まれる場合や各工区内の個別工事ごとに１億円を超える事業費増加が見込まれる場合には、直ちに本社に報告させるとともに、対策の実施前に本社の了承を得ることをルール化する。工程と事業費を同時かつ総合的に審議する事業総合管理委員会の設置や、関係自治体等との情報共有を拡充する方策なども盛り込んだ。

　同機構では、改善措置を確実に実施し、地元自治体をはじめとする社会からの信頼回復に努め、当面の最大の課題である北陸新幹線（金沢・敦賀間）の確実な開業を実現する決意を示した。