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入札資格 付与期間3年に/事務負担軽減へ、22年度運用目指す

2021/02/03 長野建設新聞

 県が2022年度から建設工事や建設コンサルタント等、全ての入札参加資格の付与期間を現在の2年間から3年間に延長する方針を固めたことが分かった。あす4日開催の県契約審議会へ議題として提出する。

 入札参加資格の付与期間は2年間が一般的で、国や大半の地方自治体は2年に1度、定期審査を実施している。そのような中、県は昨年6月、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、2019・20年度入札参加資格の付与期間の1年延長を表明。契約審議会での審議を経て8月に正式決定した。本紙の調べではコロナを理由に付与期間の延長を決めた都道府県は長野と島根の2県のみ。

 県の方針に県内の多くの自治体も追随した。最終的に全77市町村の約9割に当たる70市町村が現行資格の有効期間の1年間延長を決定し、本来であれば昨年12月から今年2月にかけて行われるはずだった定期審査のやり取りが不要となった。年明けからのコロナの状況をみれば英断であったと言えよう。

 県は特例的に実施した付与期間3年を恒久化することで申請事務にかかる受発注者双方の負担を軽減したい考え。コロナ対応での1年延長を決めた際、企業努力の反映が遅れることはないかとの問いに、技術管理室は「定期審査の1年後に行う中間審査において、新規や営業所・業種の追加に加え経営事項審査等の再審査も受け付けており、各企業の経営判断で現状を適宜反映させることは可能」と答えている。ちなみに三重県はかねてより資格付与期間を4年間に設定。大阪府は21年度から3年間に変更する。


■望まれる全県統一対応

■市町村の動きに注目

 県の資格付与期間の延長が決定した場合、その後は市町村の対応に注目が移る。業界からは「入札参加資格審査が3年に1度となれば、それはありがたい。ただし、県は3年、○○市は2年ということでは、毎年どこかで申請作業が必要ということになる、願わくば県内の全ての自治体が統一的な対応を取ってほしい」との声が複数聞かれた。

 県への申請を市町村への申請とみなしている自治体は必然的に県と足並みをそろえるとみられるが、独自で審査を行う自治体がどのような判断を下すのか。1年間延長を決めた70の自治体は次回の定期審査まで約1年間の検討期間がある。今回は延長せず定期審査の実施を決めた4市3町(長野市、飯山市、塩尻市、千曲市、小海町、坂城町、飯綱町)も含め、事務負担の軽減、さらには企業側の混乱を回避するためにも、全県統一的な対応の実現に向けた検討を求めたい。また、中間審査の内容も併せて議論すべき事項であろう。

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