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群馬県伊勢崎市

伊勢崎市のし尿処理施設の今後

2021/02/03 群馬建設新聞


伊勢崎市は茂呂クリーンセンターや境クリーンセンターなどのし尿処理施設について、大規模改修や統廃合を含めた今後の方針を明らかにした。公共施設等総合管理計画のし尿処理施設個別計画案によると、茂呂クリーンセンターと境クリーンセンターを2025~29年度で統合する方針となっている。すでに茂呂クリーンセンターへ統合済みの赤堀環境センターは30年度以降の取り壊しを検討する。

計画期間は21~45年度。21~24年度の4年間を短期、25~29年度が中期、30~45年度を長期に設定し、各期の修繕や大規模改修など対応方針を示した。市の生活排水処理の形態は◇下水道接続◇集落排水施設接続◇合併処理浄化槽◇単独処理浄化槽◇し尿汲み取り-となっている。うち合併処理浄化槽と単独処理浄化槽、し尿汲み取りを処理するし尿処理施設を計画の対象とする。具体的には茂呂クリーンセンター、赤堀環境センター、境クリーンセンターの3施設7棟、総延べ床面積5475・7㎡で、50㎡未満の小規模な建物は対象外。

現在は茂呂クリーンセンターと境クリーンセンターの2施設でし尿処理を行っている。赤堀環境センターは施設管理の効率化や維持管理費縮減のため、茂呂クリーンセンターへ処理機能を統合済み。境クリーンセンターは、建物および設備の老朽化が課題となっているため、処理機能の統合が予定されている。

大規模改修の際には、機能的な耐用年数を延長する改修内容を盛り込むとともに、当該施設の需要の変化を考慮し、施設の陳腐化を回避する。一方、汚水処理施設のいせさき浄化センターでの共同処理を進め、効率的な処理形態を検討。このほか、大規模改修・建て替えに当たり、新工法などの導入に積極的に取り組み、工事費の縮減を図る。また、ユニバーサルデザイン2020行動計画に基づき、バリアフリーの推進やユニバーサルデザインの導入も検討する。民間活力の導入も視野に入れ、効率的な施設運営や行政サービスの向上を目指す。

同計画案は市民意見募集を経て、年度内の策定完了を目指している。

各施設の具体的な方針は次のとおり。

【茂呂クリーンセンター】

1996年に整備した処理棟、管理棟、車庫の3棟構造となっている。処理棟は建設後38年が経過する2026年度以降に建屋の大規模改修を検討する。設備類は随時、修繕に取り組み、中期以降に大規模改修を予定。建屋・設備を合わせた対策費用は短期2億8318万円、中期23億1247万2000円、長期10億7259万4000円となっている。管理棟および倉庫は長期に大規模改修を計画。対策費用は管理棟で1億1456万円、車庫が1732万6000円。

【赤堀環境センター】

1992年に建設した処理棟と車庫の2棟構造。設備類は茂呂クリーンセンターへ処理機能を統合済み。建屋は有効活用を検討し、当面は現状を維持する。長期に両棟の取り壊しを検討する。

【境クリーンセンター】

処理棟および管理棟で構成されており、いずれも1985年に建設。設備は随時修繕を行いつつ、中期以降に茂呂クリーンセンターへ処理機能統合を予定する。建屋は有効活用の検討を行う。対策費用は短期8386万円、中期2150万円となっている。

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