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IKEA前橋、着工の目途立たず

2021/02/10 群馬建設新聞

【前橋】スウェーデンを発祥とする大型家具専門店イケアの日本法人イケア・ジャパン(ヘレン・フォン・ライス代表取締役社長、千葉県船橋市)の前橋市への出店計画について、現状では具体的な進展がない。同社は2013年にパワーモール前橋みなみの隣接地に当たる鶴光路町の敷地を取得。15年ごろの開業が見込まれたが、延期となった。現在は膠着状態が続いているが、大規模店舗の早期着工が依然として期待される。

取得した土地は、パワーモール内にあるコストコホールセール前橋倉庫店(鶴光路町137-2)の西側で、面積6万8000㎡。北関東自動車道前橋南ICにも近く、他県からの来客も期待できる立地となっている。施設規模は非公表だが、土地の面積から郊外で展開する倉庫型の店舗となるもよう。当該の敷地には、同社ロゴマークの看板が立てられているものの、着工に向けた動きは見られない。

同社の広報担当者は、施設規模やスケジュールなどの具体的な調整、着工およびオープンの見通しについて「現在、具体的に答えられる進捗がない」と話す。

同社は、都市型店舗を含め全国で12店を展開している。新規店舗としては前橋のほかに、広島県広島市へのオープンが掲げられている。広島も前橋と同様に、土地を取得したものの、開業時期や施設規模などは非公表の状況が続いている。

また、北海道札幌市への進出も検討されていたが、19年に同計画を撤回している。郊外型の大型店舗は17年にオープンしたイケア長久手を最後に、手詰まり状態が続いている。

一方で、20年11月には都市型店舗のイケア渋谷をオープン。21年春には3店舗目の都市型店舗となるイケア新宿の開業が発表されている。

出店計画が進まない原因としては格安家具の販売を強みとする競合他社の存在や、先述した都市型店舗を軸とする経営戦略への転換が考えられる。近年では新型コロナウイルスの流行もあり、新規の郊外型店舗のオープンには向かい風の状況が続くものの、今後の行方が注目される。

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