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埼玉県企画財政部

県企画財政部・第5回公共交通利便性検討会開く

2021/02/12 埼玉建設新聞

 県企画財政部は9日、第5回公共交通の利便性向上検討会議(委員長=久保田尚埼玉大学大学院教授)を県庁本庁舎2階庁議室で、Web方式により開催した。鉄道延伸や地域公共交通の課題と取り組みの方向性が検討され、課題と方向性を示した報告書案が示された。答申3路線、答申外2路線とも、それぞれ優位性や課題があるとされた。

 久保田委員長は冒頭、「これまで4回にわたり有益なご意見を頂戴した。時節柄、このようなかたちですが、慎重かつ前向きなご議論をいただきたい」とあいさつした。

 会議では、鉄道延伸や地域公共交通の課題と取り組みの方向性について議論が繰り広げられた。

 埼玉高速鉄道線の延伸(浦和美園~岩槻)に関しては、岩槻駅~赤羽駅、赤羽岩淵駅の経路は時間・運賃とも優位性があるとされた。一方で、中間駅周辺におけるまちづくりの計画が整理されていないとした。

 東京12号線の延伸(大泉学園町~東所沢)は、東所沢~新宿の経路が競合路線と比較して時間・運賃ともに優位性があることが示されたほか、費用便益分析が0・95となったことが明らかになった。ただ、東京都と埼玉県で検討状況に差があるなど「東京都との連携が必要となる」という指摘があったという。

 東京8号線の延伸(押上~野田市)については野田市~秋葉原、有楽町は、現状との比較で時間・運賃ともに優位性があるとした。反面、「東京都や千葉県の沿線自治体との連携が必要」という課題があるほか、費用便益分析が0・68にとどまっている状況にある。

 答申外路線の日暮里・舎人ライナーの延伸、多摩都市モノレールの延伸についても、事業化の見込みがあるとしながら、延伸先が決まっていないため、ルート精査や建設コスト、工期、事業効果などを検討していく必要があるとした。

 会議を終えて、久保田委員長は「費用便益分析以外にも多面的に検討を行ってきた。5路線とも可能性がある」などと話した。

 今後、事務局において今回出された意見などを取りまとめた上で報告書案をまとめ、各委員に照会し、委員長が報告書を決定。その後、3月中旬以降に大野知事へ報告書を提出する運び。


【写真=鉄道延伸の取り組みの方向性などが議論された】

鉄道延伸の取り組みの方向性などが議論された

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