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【ICT施工】21年度に構造物工と路盤工で試行着手

2021/03/02 本社配信

 国土交通省はICT施工の工種拡大に向けて、2021年度からICT構造物工(橋脚・橋台)とICT路盤工(加速度応答による密度管理)の試行に着手する。それぞれ10件程度で試行し、必要な要領をまとめて22年度の本格導入につなげる。ICT海上地盤改良工(床堀工・置換工)は21年度より導入し、モデル工事を実施して、施工中や出来形計測の適用技術の検討と施工履歴の活用に入る。

 ICT構造物工は、起工測量の実施および契約図書照査と出来形・出来高管理、出来形検査で3次元計測技術を用いるもので、計測作業の効率化とともに、高所での計測作業の安全性向上を図る。起工計測にレーザースキャナーやUAV等を活用することで広範囲な計測が可能になるほか、出来形・出来高計測はレーザースキャナー、ノンプリズムTSなどで点群測量を行い、計測データを活用してPCのデスクトップ上で計測する。21年度は3次元出来形計測費用と従来の出来形管理費用との比較検証や、面管理による出来形管理のさらなる効率化、維持管理への活用、点群データを用いた構造物の位置・出来形管理、面管理で取得できる写真データを活用したひび割れ調査を試行、検証。試行結果を踏まえて、出来形管理要領をまとめる。

 ICT路盤工に関しては、振動ローラに取り付けた加速度計により路盤の密度を計測し、締固め密度を面的に把握することによる品質の向上や、現場密度試験(砂置換法)の省略による試験・分析作業の効率化を図るもの。21年度の試行では、加速度応答法の密度計測精度を路盤材、現場条件別に検証するほか、品質管理規格値(面管理)の検討、計測効率やコストの確認などを行い、品質管理要領を策定する。

 他にも、ICT構造物工(橋梁上部・基礎工)に関する検討を21年度から進める。

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