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栃木県土地開発公社

県土地開発公社、しもつけ産業団地を造成、6区画を分譲、22年度着工へ 総事業費68.4億

2021/03/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 県土地開発公社は、しもつけ産業団地造成事業(下野市下坪山、花田、絹板)に着手した。開発面積33・3haのうち分譲面積は24・3ha。6区画を創出し、公園2カ所、調整池1カ所、区画道路を整備する。2020~21年度で用地を取得。22年度に着工し、24年度の完成を目指す。23年度に予約分譲を開始し、25年度に本分譲する。総事業は約68億4000万円を見込んでいる。

 19~20年度の基礎調査で地権者の同意状況、事業採算性、早期分譲の見通しを多角的に検証。県が昨年12月10日に事業実施地区に決定し、今年2月9日の県都市計画審議会で一帯の市街化調整区域を市街化区域に編入し、工業専用地域に指定した。

 19年度は地質調査を芙蓉地質、基本設計を栃木都市計画センター、20年度は実施設計その1を栃木都市計画センター(以上宇都宮市)、用地調査と実施設計その2を都市設計(小山市)、実施設計その3を篠原設計(真岡市)、地下水調査を芙蓉地質に委託した。

 計画地は北関東自動車道宇都宮上三川ICから南へ約15・5㎞、壬生ICから南へ約16・5㎞に位置。西坪山工業団地東側に位置する山林や農地。新4号国道に近接し、圏央道五霞ICから1時間以内。下野スマートICの整備が予定され、広域交通網が充実。

 地区東側を一般県道結城石橋線が南北方向に縦断。北側近接地を主要地方道栃木二宮線が東西方向に横断。西側の一部は小山広域保健衛生組合リサイクルセンターに接する。新国道4号にアクセスする西坪山工業団地東側の市道1-16号線を主進入路とする。

 基本設計の区画割りは1街区2・64ha、2街区7・4ha、3街区4・86ha、4街区2・75ha、5街区3・64ha、6街区3・01ha。区画道路面積は2・41ha、市道1-16号線から幅員12mの区画道路が南進し、中央部付近で県道石橋結城線に合流する。

 団地内を巡る区画道路は幅員9m。西側山林エリア2・7haは保存緑地。西側の緩衝緑地帯は0・64ha、北側の緩衝緑地帯は0・5ha。西側中央部に2・34haの調整池1カ所を配し、1級河川西仁連川に放流する。公園は北側と調整池東側の2カ所で計0・41ha。

 新4号国道は交差点の立体化や6車線化が進み、利便性が飛躍的に向上。沿線近くに産業用地を創出すれば、企業の進出意欲を喚起できる。西坪山(40・8ha)、下坪山(11ha)の両団地との連携や企業間の有機的な結び付きが強化され、相乗効果が期待できる。

 市は手持ちの産業団地が完売し、企業ニーズに応じ切れていないのが実情。数年前から市独自に産業団地の開発可能性調査に着手。複数の候補地の中から開発適地を絞り込み、実現可能性を探っていた。併せて県に対し、県機関による開発を要望していた。

 西坪山東地区は比較的平坦な地形で、大規模な土地改変が不要なのが強み。開発手法は事業期間の短縮や手続きの煩雑さを低減できる全面買収方式。地域と共生する魅力ある産業団地を造成し、若者雇用の促進、地場産業の活性化、税収増につなげる。

 地区北側では仁良川地区土地区画整理事業(91・4ha)が施行中。県道結城石橋線東側は住宅地が近接する。交通の流入抑制、通学路や歩行者ルートの安全性に配慮。地域の利便性、快適性、安全性の向上に努めていく。

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