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栃木県小山地区広域保健衛生組合

小山広域組合、第2期エネ施設、2カ年で事業者選定、90t炉2基に拡大、23年度着工、27年度稼働

2021/03/25 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山広域保健衛生組合は近く、第2期エネルギー回収推進施設建設事業の事業者選定アドバイザリー業務委託者の選定手続きに入る。21~22年度で整備事業者選定作業を進める。当初予算で業務委託継続費4468万2000円を設定した。日量90㌧の焼却炉2基を設置し、1日当たりの処理能力は当初の140㌧から180㌧に規模を拡大した。工期は当初の3年間から4年間に1年延長し、23~26年度で施工。27年度の稼働を目指す。

 建設地は中央清掃センター内で解体撤去工事中の粗大ごみ処理施設跡地(小山市塩沢576-15)。19年3月末にリサイクルセンター(下野市下坪山)が完成したことに伴い、稼働を停止。土壌汚染対策を含め、三井住友・潮田JVが落札した。

 工期は20年5月~22年3月。21年2月末の工事進ちょく率は25%。21年度は地下杭抜き、土壌汚染除去工事となる。併せて中央清掃センターは敷地拡張を計画。第2期施設建設地は水害ハザードマップの見直しにより、約8mの嵩上げが必要となった。

 現行の敷地規模では法面が急こう配となるため、現有面積約3万2941平方mを約1万4900平方m買い増し約4万7900平方mに拡張。敷地南北に災害廃棄物2次集積所を確保する。敷地購入費は21~22年度の債務負担行為8940万円を設定した。

 15年の関東・東北豪雨の際は災害ごみ処理を業者に全面的に委託したのに対し、19年の東日本台風を契機に災害に応じた廃棄物の1~2次仮置き場の必要性が生じた。斎場の小山聖苑西側敷地1・31ha、清掃センター西側0・6haが2次仮置き場候補地。

 構成市町でマグニチュード6・9の直下型地震が発生した場合の災害廃棄物発生量は不燃物176・1万㌧、可燃物50・9万㌧の計227万㌧と想定。発災直後は緊急的に1次仮置き場に搬入後、粗選別。2次仮置き場で中間処理(破砕、選別、焼却)する。

 第2期施設規模は当初は日量70㌧焼却炉2基を計画。小山、下野、野木の2市1町から排出される一般廃棄物処理量が想定を上回り、上方修正を迫られた。構成市町が可燃ごみ減量化対策を徹底し、27年度までに年間5000㌧を削減する必達目標を掲げた。

 第2期施設は石橋地区の可燃ごみを新たに受け入れる。増加見込み分の日量21㌧の建設費は下野市が負担。通常ごみ処理量に加え、災害時ごみ搬入量を考慮した処理能力は日量250㌧と推計。既存施設の日量70㌧焼却炉1基を含め、日量250㌧を確保する。

 20年度の基本設計は国際航業(東京都)に委託した。従来型の高圧受電方式から特別高圧受電方式に改める。特定規模電気事業者となり、夜間を中心にごみ発電の余剰電力を売電する。21年度の第2期施設予算は8484万3000円を計上した。

 事業者選定アドバイザー業務委託単年度分2234万1000円のほか、敷地造成基本設計委託925万1000円、特別高圧受電検討等委託381万7000円、電源募集案件プロセス負担金・補償費4543万円、第3期地域計画作成委託400万4000円。

 電源プロセス負担金・補償費は再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)適用に向けた売電予定事業者の送電線設備増設工事に備えた。1時間当たり5000kwを発電し、年間の販売額は3億6690万円を見込む。

 事業者選定アドバイザリー業務は、経験豊かなコンサルタントが事業者選定を支援。事業者に求める実績や施工水準を盛り込み、22年度上期中に実施方針、要求水準書を相次いで公表し、入札を公告する。22年度末までに建設事業者を決定する。

 建設事業者の選定は、公設民営方式(DBO)による設計・施工・運営一括発注となる線が濃厚。入札方式はJV編成対象の総合評価落札方式による条件付き一般競争が有力。可燃ごみを安定的で効率的に焼却処理するとともに、焼却熱エネルギーを回収する。

 高効率発電と省エネ化を同時に実現し、CO2排出量の抑制や環境負荷の低減に努める。地域の相互連携と協力による新しいごみ処理システムと新施設を整備し、循環型社会を形成。第2期施設建設中は既存の日量80㌧焼却炉2基計160㌧を延命化する。

 供用開始後は第3期計画に着手。160㌧焼却施設の解体撤去に加え1400平方mのストックヤードを整備する方針。詳細は21年度に委託する第3期地域計画作成委託で中身を詰める。

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