十日町地域広域事務組合の消防事務組織、十日町消防本部(四日町新田)に新ヘリポートが完成し、このほど完成報告会が挙行された。隣接する庁舎外壁に設置した14基の大型照明により、夜間の離発着が可能となる。
十日町市と津南町で構成する同組合は、地域の高齢化に伴う救急出動要請の増加傾向に対応するため、迅速かつ安定的なドクターヘリの受け皿整備を検討。2018年度に組合議会の議決を経、19年度に用地取得を開始。20年度に工事に着手し、21年4月1日の運用開始にこぎつけた。
庁舎で行われた完成報告会には、関係者30人が出席。組合管理者の関口芳史十日町市長があいさつし「17年3月から県内ドクターヘリの2機目の運用が開始され、長岡日赤病院まで15分に改善された。災害時の前線基地にもなり、地域の安心・安全が一層高まる。有効活用を一段と充実させたい」と述べた。
事業経過報告では10分ほどにまとめた動画を上映。一面田んぼだった用地が各工事を経て、200日をかけて変貌する様が映し出された。
整備面積は6100㎡で、全面アスファルト舗装。冬期間の離着陸帯と緊急車両の動線を無雪化するため、2400㎡にわたり消雪パイプを設置した。事業費の総額は2億9376万777円。
閉会後には県消防防災航空隊と十日町地域消防署による救助訓練が行われ、消防防災ヘリ「はくちょう」が飛来。山間地から負傷者を救出する想定でヘリがフォバリング。負傷者を救急隊に引き継ぐ一連のミッションを展開し、ヘリの機体見学も行われた。同航空隊の伊藤貴一隊長は「夜間も使用できるヘリポートは県内でも少ない。上中越の各地にアクセスしやすい立地なので、災害時の給油ポイントとして期待できる」と語った。
【写真=防災ヘリ「はくちょう」を見学】