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水難学会が農業用水路の安全対策に転落防止ネット実証実験

2021/04/10 新潟建設新聞

 水難事故防止に向けて研究開発を行う水難学会(代表=斉藤秀俊長岡技術科学大学教授)は7日、新潟県や西蒲原土地改良区と連携し、新潟市西区の農業用排水路で転落防止ネットによる安全対策の実証実験を開始した。

 農業用水路、ため池等の水難事故により県内では過去10年間で34人が亡くなっている。実験箇所は、道路沿いに転落防止柵があるものの、立仏小学校の通学路に隣接し、地元からも安全対策の要望が出されていた。

 実証実験では、排水路の天端23㎡に転落防止ネットを設置。安全対策としての効果をはじめ、耐久性、耐候性、維持管理、農作業への影響などを調査する。

 斉藤教授は「用水路の安全対策には予算が付きにくいが、子どもはいつ、どこから入るか分からない」としたほか「安価にできる安全対策に関係機関がタッグを組んで、新しい技術を一緒に検証していきたい」と実験の成果に期待を寄せた。

 転落防止ネットには、県内では初の設置となる大嘉産業の「レスキューネット」を採用。軽量で柔軟性があるため取り扱いが容易で、転落した場合に人体への衝撃を低減する適度なクッション性がある。素材には再生高強力ポリエステル繊維(ペットボトル再生繊維)等を心材に高強度ポリエチレンで被覆しており、耐候性に優れ、錆びず腐食もしない。通常の安全柵やグレーチング、暗渠化による対策と比べて安価で、取り外し、交換も容易であり、立体的で複雑な構造の水路にも対応する。

【写真=水路に転落防止ネットを設置]

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