国道411号一之瀬高橋改築Ⅱ期事業で県峡東建設事務所は、本年度で準備工を終え、来年度から「2号トンネル」の掘削に着手したい考えを示した。先月工事用道路などの整備工事を発注しており、本年度はそれをメインに「関連する準備工があれば進め、掘削に入れる状態にする」(同事務所道路課)としている。
トンネルの延長は約660m。事業化時に本体工事費として28億円を見込んでいる。2019年度から建設技術研究所により詳細設計を作成しておりすでに完成。掘削は甲州市側に比べより高い場所にある丹波山村側から始める。
先月抗口まで至る工事用道路の整備工を発注。昭和建設・植野興業JVが請け負った(受注額3億4850万円)。現場は急峻な場所で、国道から崖下まで至る工事用道路を造りヤードを確保するイメージ。付近には柳沢川が流れているため仮橋も設置する。工期は本年度末だ。
掘削工事の工区分けについて同課担当者は「1本で出すか微妙なところ」と話し、最も効率的な工程を考え2本に分けるか今後検討するという。
トンネルの両側の取り付け部には橋を建設するが、そのうち丹波山村側の「1号橋」(鋼単純箱桁橋、橋長59m程度)はオリエンタルコンサルタンツが設計、甲州市側の「2号橋」(鋼単純合成鈑桁橋、同35m程度)は三井共同建設コンサルタントが作成した。甲州市側の抗口周辺については用地交渉を進めている途中だという。
同事業では、この2号トンネル・橋梁建設後、1号トンネル(延長960m想定)の建設も控える。
【写真=現場周辺。急峻な場所での施工となる】