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栃木県宇都宮市

宇都宮市 森林公園再整備方針、7月に民間意向調査、3月に基本計画策定

2021/05/28 日本工業経済新聞(栃木版)

 宇都宮市は27日、大谷周辺地域活性化の指針となる「市森林公園再整備方針」を発表した。遊ぶをキーワードに「森・水・自転車に出会い触れ合うアウトドアフィールド」に再生。大谷地域、道の駅うつのみやろまんちっく村との周遊性向上につなげ、年間35万人の来訪者を見込んでいる。民間活力導入を前提に、7月に民間事業者への意向調査を実施。整備内容、事業スキーム、スケジュールを検討。これらを精査し、来年3月には基本計画を策定する。

 市森林公園(福岡町1074-1)は497haの広大な面積を誇る。赤川ダム(28ha)を中心に魚釣り場、キャンプ場、バーベキュー場、サイクリング場があり、古賀志山のトレッキングが楽しめる緑豊かなアウトドアスポット。レストランや宿泊施設を併設する。

 公園全体は市街化調整区域。区域の多くは森林法に基づく保安林に指定され、土地利用には規制がある。市有地は赤川ダム周辺が主で、大部分は国有地や民有地が占める。各施設は供用開始から40年が経過し、利用者ニーズ機能不足で稼働率が低いのが実情。

 第6次市総合計画基本計画に盛り込んだ各種計画との連携を図りつつ、10年先の森林公園の在るべき姿を見据える。自然を生かした体験型観光地を目指し、年間24万人の来場者を1・5倍に増やす。ジャパンカップサイクルロードレース開催地が最大の強み。

 再整備の方向性は①公園資源のフル活用による魅力向上②自然に親しみながら憩える場の機能向上によるおもてなしの充実③大谷周辺地域の周遊環境向上による更なる活性化の促進-の3つを設定。ICTの活用を視野に、効果的な事業手法を探っていく。

 3つの方向性に基づく導入・強化する機能は総合インフォメーション機能、アウトドア体験機能(アクティビティー体験、宿泊)、サイクルスポーツ体験機能(地形を生かした多様なサイクルスポーツ)、快適な滞在・憩いの機能(温浴施設、飲食・物販)。

 2017年の来訪者アンケート調査では半数以上が充実を求めたのは物販、飲食、温浴機能。18~19年の体験型コンテンツ実証調査、20年のアウトドアイベントには市内外の30~40代の家族連れを中心に大勢が参加。参加者からは高い満足度を確認した。

 参画した民間事業者からは今後のアウトドア事業の展開意欲が得られ、駐車場からのインフォメーション施設への動線改善意見が寄せられた。民間調査ではアウトドア市場の直近3年間の伸び率は3・6%で、コロナ禍でも堅調に伸びると予測する。

 国は18年度にスポーツツーリズム需要拡大戦略を策定し、国内の自然資源を活用したアウトドアスポーツを重点テーマの1つに組み込んだ。3つの拠点間の周遊性向上は不可欠であり、大谷地域、ろまんちっく村にはない魅力を森林公園に創出する。

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