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建専連と北陸地整がダンピング排除やCCUSで意見交換

2021/06/29 新潟建設新聞

 建設産業専門団体連合会(建専連)および同北陸地区連合会と北陸地方整備局との意見交換会が24日に新潟市中央区の新潟グランドホテルで開かれ、ダンピングの徹底排除と建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及について意見を交わした。

 建専連の岩田正吾会長は「技能労働者の処遇改善へ建設キャリアアップシステムの加入促進と技能、経験に見合った給与の引き上げ、週休2日など一歩ずつ進めているが、仕事量が減った地方ではダンピングが進み、それどころではない。処遇改善の原資となる単価が下落する状況では、賃金の安定は成しえない。解決の糸口を見出し若者に来てほしい業界から若者が入りたい業界を目指したい」とし、北陸地区連合会の近喜男会長は「週休2日の推進とキャリアアップシステムの登録と活用促進を柱に活動しているが、活動の原資となる法定福利費が課題である。民間工事ではいまだに法定福利費を支払ってもらっていないのが現実」と訴えた。

 北陸地方整備局の岡村次郎局長は「建設業の新3Kを実現するため我々も努力している。建設現場に若者が入ってくる希望が持てる産業にしなければいけない」と応じた。

 意見交換では、ダンピングの徹底排除として多くを占める民間工事での労務費の低下により、全体の設計労務単価が下がることを懸念。民間工事を含めた請負契約の徹底監視と下請け企業の見積もりを尊重するよう要望。岩田会長は受注の多くを占める民間工事でのダンピング防止に業種ごとの標準価格を設定することを提案した。また公共工事でも週休2日により仕事量が減っても補正分の経費が下請けまで回ってこない現状を説明し、近会長は「請負金額を引き上げなければ新3Kは実現できない」と訴える。

 岡村局長は「働き方改革は2024年度には建設業でも標準となり、それまでに解決しなければならない。元下関係には構造的問題があり、十分に調査できていない。改善にどこまで調査できるかが課題」とした。

 CCUSの普及については、県や市町村工事で導入されていないため、登録しても活用ができないことを説明し、直轄工事での義務化や地方自治体や民間工事への指導を要望。また連合会内でも業種によって温度差がある課題を共有し、双方で導入によりメリットがあることを訴えていくことを確認した。

【写真=岩田会長、近会長、岡村局長、業界諸課題に意見交換】

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