関東地方整備局とJR東日本大宮支社は28日、荒川第二・三調節池整備事業におけるJR川越線荒川橋梁架け替え工事の基本協定を締結した。2030年度の調節池完成に向けて、堤防かさ上げとともに、約2500m区間の架け替え位置や橋梁面の高さなどが盛り込まれた。現時点で単線による架け替えに優位性があるが、沿線自治体は、将来的な複線化を見据えた報告書の作成を進めている。
今後の動きとしては、まずJR東日本から概略設計が委託されることになる。
協定締結式で若林伸幸局長は「JR東日本の協力を受けて、30年度の完成を目指し、第二・三調節池整備を着実に進める。引き続き緊密な連携と協力をお願いしたい」と述べた。
大西精治大宮支社長は「本事業の重要性を良く認識して、1日も早い完成につながるように、努力していく。今後ともご指導をお願いしたい」と語った。
JRの概略設計には、県や沿線自治体の意見も反映される。
基本協定は、単線架け替えを前提にひとまず結ばれた。一方、8月末には、複線化の課題に関する県の調査業務で中間報告がまとまる。
その中で「川越線の輸送状況」、「沿線地域の現状分析」、「複線化の効果」、「荒川橋梁における技術上・工程上の課題」などを県は示す。
年度末までには、複線化の方策、橋梁仕様などについて試案を取りまとめた最終報告を出す。沿線自治体は、複線化を実現するパターンを提示し、事業者の検討を促したい考え。単線架け替えの後でも複線化できる整備形態案の可能性などを検討するとみられる。
県の担当者は「事業者とも調整し、年度内であれば、概略設計に最終報告の内容を反映する作業が間に合う」と説明する。