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栃木県小山市

小山市、新川橋架け替え 県に委託、月内に基本協定締結、豊穂川排水強化対策

2021/08/12 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は近く、県と1級河川豊穂川排水強化対策における一般県道小山結城線の「新川橋架け替えに伴う浸水対策重点地域緊急事業の業務委託」の基本協定を締結する。2021~25年度の5カ年間の費用は按分調書の見積額を年度ごとに負担。総事業費15億4302万6000円のうち、市は河川費6億7466万6000円を負担する。架け替え工事や工事に必要な調査測量設計の施行を県栃木土木事務所が全面的に執行する。

 19年7月に1級河川に指定された豊穂川は、20年3月に国の浸水対策重点地域緊急事業に採択された。事業区間は下流側の思川合流点(大行寺)~上流側の大日橋上流(立木)間の約1400m。29年度の完成予定を大幅に前倒し、25年度の完成を急ぐ。

 現況の新川橋は橋長28・5m、幅員9・2m。本橋はRCT単純桁及びRC製床版、直接基礎の重力式橋台及び既成RC杭。側道橋は綱1径間鈑桁及び鋼床版。新橋は橋長67m、幅員11・5m。綱1径間鈑桁橋の逆T式RC橋台、片側歩道を想定している。

 取り付け道路は右岸側が延長150・5m、左岸側が165・5m。幅員は各11・5m。事業計画では河道拡幅と築堤により流下能力を毎秒40立方mから毎秒60立方mに拡大。設計規模は30年に1度の確率の24時間降雨量190・3㎜に耐えられる。

 市の河川費年割負担額は21年度2315万7000円、22年度2億2204万2000円、23年度5665万5000円、24年度3億303万5000円、25年度6977万6000円。県は道路費8億8623万8000円を負担する。

 測量試験費は7600万円(橋梁詳細設計3000万円、道路詳細設計800万円、平面図化500万円、路線測量400万円、地質調査400万円、迂回路用地測量調査500万円、取り付け道路・側道用地測量調査2000万円)と試算。

 用地補償費は4億9785万円(仮橋・迂回路、取り付け道路)。工事費は9億6917万6000円(旧橋撤去、既設道路撤去、迂回路工、仮橋工、橋梁下部工、橋梁上部工、条件護岸工、横断函渠工、本線取り付け道路工、側道工、河川管理用道路工)を見込む。

 橋撤去1825万8000円、道路撤去2843万円、迂回路5632万円、仮橋3360万円、下部工1億9546万4000円、上部工4億200万円、護岸2054万円、横断函渠4780万4000円、取り付け道路8796万円、側道2000万円、管理用道路5880万円。

 全体の事業計画は河道拡幅、築堤、3橋の架け替え。堤防高の計画高水位は1・2m、天端幅5mのバック堤でともに思川と同規格。橋梁は市道1179号線の大行寺橋、県道小山結城線の新川橋、市道257号線の大日橋を架け替える。総事業費は約53億円。

 各路線の道路交通が遮断しないよう仮橋や迂回路の設置と撤去が必須。計画を叩き台に道路管理者や地元住民の意向を反映しつつ架設位置、道路法線、幅員構成の細部について協議する。豊穂川はブロック積み開水路。現況幅員約8mを約55mに拡幅する。

 豊穂川の右岸側は市街化調整区域、左岸側は市街化区域。右岸側の農地を買収する。15年の関東・東北豪雨の際には線状降水帯が居座り、豊穂川が溢水。19年の東日本台風では床上浸水223戸、床下浸水189戸の甚大な浸水被害に見舞われた。

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