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茨城県常陸太田工事事務所

21年度主要事業まとめ/常陸太田東BP推進/機初橋耐震補強近く発注/透過型砂防堰堤を整備

2021/08/26 日本工業経済新聞(茨城版)

 県常陸太田工事事務所の2021年度主要事業をまとめた。国道293号常陸太田東バイパスでは、約2・1㎞区間(常陸太田市瑞龍町~増井町)で、増井跨道橋や道路改良に着手する。残る区間についても用地取得の状況を見ながら進めていく。国道461号水府里美拡幅では、北沢トンネル開通に向けて準備を進めている。20年度から取り組んでいる機初橋の耐震補強は、橋脚2基を補強する。鍬柄平沢の砂防堰堤工事では透過型を採用。工事は近く一般競争入札で発注する。

【国道293号常陸太田東バイパス】

 瑞龍町から増井町までの2110m区間において、増井跨道橋の上部工や道路改良舗装工事を進めていく。増井跨道橋は国道293号を跨ぐ市道0103号線の橋として整備する。概要は上部工がPC単純中空床板橋で、橋長26m、幅員12m。下部工が逆T式橋台2基。詳細設計は大日本コンサルタント㈱(千代田区)がまとめた。下部工事は瀬谷建設㈱(常陸太田市)が担当した。

 道路改良舗装工は、増井跨道橋の西側2工区で行う。22年度以降も西側区間での用地取得状況を見ながら工事を進めていく。これまで整備を行ってきた(仮称)第3号橋(L221m)では、名称を長尾橋(なごおばし)とし、間もなく供用を開始する。

 常陸太田東バイパス(大森町~増井町、L8990m、W15~18m/6・5m)は、1993年度に事業着手した。総事業費が214億円。

【国道461号水府里美拡幅】

 下高倉町と折橋町を結ぶ北沢トンネル(L1581m、W8m)の仕上げ作業として、通信設備や防砂施設、現道との擦り付け工事、区画線工などを進めている。開通は秋ごろを予定する。県では、幅員狭小区間の解消を図るため99年度から横軸と縦軸を合わせた全体延長7・2㎞の道路整備に着手。このうち縦軸3・8㎞は供用済み。北沢トンネルを含む横軸(L3・4㎞)の整備が完了すれば竜神大吊橋など県北を代表する観光地がトンネルで結ばれる。

【機初橋耐震補強】

 耐震補強工事を9月にも一般競争入札で発注する。橋脚2基(P1、P2)にコンクリート巻き立て工を施し、補強する。工期が6カ月を想定している。同橋は51年に架設。橋長110・9m、全体幅員5・5m、車道幅員5m。県道日立笠間線を通り、里川に架かる。構造は上部工が5径間連続鋼ゲルバー桁橋。下部工が重力式、小判型。基礎形式はコンクリート杭打ち井筒式。設計は㈱長大(中央区)が策定した。2020年度には、上部工(A2、P1、P2)の縁端拡幅や支承取り換え、下部工(P3、P4)の橋脚コンクリート巻き立てを㈲黒澤組(常陸太田市)が施工した。

【鍬柄平沢砂防堰堤工事】

 土砂災害防止の取り組みとして、透過型砂防堰堤を整備する。工事は近く一般競争入札での発注を予定している。工期が約6カ月。20年度には下側部分の掘削工(土砂、V2200立方m)、掘削工(軟岩、V300立方m)、コンクリート工(V935立方m)、型枠工(A320㎡)、鋼製堰堤工(V10・4t)を㈱後藤工務店(常陸太田市)が施工。本年度は残る上側部分でコンクリート工や枠型工などに取り掛かり、完成を目指す。


【写真=秋ごろに供用開始する北沢トンネル】

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