記事

事業者
栃木県矢板市

矢板市、東小で長寿命化改修、30億、校舎と体育館を再生、23~24年度設計、25~27年度に施工

2021/09/10 日本工業経済新聞(栃木版)

 矢板市は、東小学校(東町)の長寿命化改修に向け2022年度に基本計画を策定する。学校統合に伴い、老朽化や現代の教育環境に対応した施設整備を実施。事業費約30億円で校舎と体育館を抜本的に改修する。基本計画で機能などを検討し、23~24年度に基本・実施設計を予定。24年度に仮設校舎を設置し、25年度から校舎を3カ年で施工。体育館も27年度までに工事を行い、27年度に事業を完了する計画。

 市は20年度に策定した小中学校適正規模・適正配置計画(第1期)に基づき、22年4月に豊田小を東小に統合。23年4月に川崎小の一部を東小に統合する。

 東小の敷地は3万1118平方m。管理教室棟、普通教室棟(東・西)、体育館が敷地の北側にあり南側が校庭となっている。

 各施設の概要は普通教室棟(東)が75年建設のRC造3階建て延べ床1845平方m、普通教室棟(西)は80年建設のRC造3階建て延べ床741平方m。管理教室棟は75年建設のRC造2階建て延べ床1875平方m。体育館は76年建設のS造2階建て延べ床778平方m。

 東小の児童数は390人(21年5月)。統合完了後の23年度は約460人を見込んでいる。東小には15年度まで500人以上が在籍しており、既存の施設で改修を実施。現時点で増改築は予定していない。給食室の改修は市内の給食再編状況を踏まえて検討する。

 校舎は屋根や壁、床や天井など内外部を全面的に改修し、照明などの電気設備や給排水衛生設備、消防設備も更新する方針。躯体の強度を増す工事も想定。バリアフリー化を図りエレベーター設置も検討していく。

 体育館は壁、床、照明設備などを改修し、トイレを洋式化。空調設備を導入する考え。基本計画策定費は22年度当初予算に計上される見通し。

 24年度には仮設校舎を校庭側に設置し、通信ネットワーク設備などの移設工事に着手。仮設校舎を利用しながら順次、校舎の改修工事を進める考え。体育館も25年度から27年度の間に工事を実施する。

 校舎や体育館は50年近くが経過し、老朽化が著しい。劣化状況の調査結果によると、普通教室棟(東・西)は屋根や屋上が早急に対応する必要があるD判定。普通教室棟(東)は外壁、内部仕上げ、電気設備、機械設備とも広範囲に劣化しているC判定。

 普通教室棟(西)、管理教室棟、体育館は内部仕上げが部分的に劣化しているB判定となった以外、外壁、電気設備、機械設備ともC判定。

 具体的には普通教室棟は屋上の防水シートが破れ、外壁の塗装剥離が目立つ状態。内部は壁の一部にクラックや雨漏り跡が発生。管理教室棟は屋上の防水シートが浮き上がり、外壁や軒天の塗装が剥離し、体育館は鋼製建具が錆びつくなど外壁や設備が劣化している。

 学校適正規模・適正配置計画の第1期は21~25年度、第2期は26~31年度。第2期では安沢小の中地区を東小、安沢地区を乙畑小とともに片岡小に統合。片岡小は31年4月までに片岡中との小中一貫校を目指している。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら