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栃木県芳賀町

芳賀町、道の駅、設計・施工プロポ13日公告、水橋分館の3施設一括、観光、防災拠点強化へ空調など更新

2021/09/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 芳賀町は、道の駅はがを構成する友遊はが(祖母井842-1)、ロマンの湯(上延生160)と町生涯学習センター水橋分館(西水沼2254)の大規模改修工事に向け、3施設一括の設計・施工公募型プロポーザルを13日に公告する。脱炭素社会を見据え、各施設の空調設備や照明を更新するほか、電力を賄う太陽光発電パネルと蓄電池設備も整備する。プロポーザルは県内外のコンサルや施工業者、緊急時のメンテナンス対応が可能な町内業者らで構成する共同企業体の提案を受け付ける。提案限度額は概算で8~9億円。LRT開業を控えた町観光拠点の充実と防災拠点の強化を図る。

 提案受け付け期間は13日から10月8日までを予定。1週間程度の審査期間で候補者を選定。並行して町が9月末までに国に対し事業の採択申請を行う。10月末の事業採択を見込み、決定後にプロポーザルの契約を締結する。9月補正予算に道の駅とロマンの湯の改修設計委託料各660万円を計上した。

 設計期間は11月~2022年1月末までを予定。22年6月に工事費の補助申請と補正予算の継続費設定、補助金交付決定後の着工を見込んでいる。23年1月末の完成を目指す。

 事業者は設計・施工のほか、エネルギー効率やデータ管理などエネルギーマネジメントシステムの運用も担う。

 友遊はがは、空調設備25基の更新と照明427台をLED化。熱効率を高めるため西側事務所棟のエントランスとレストランの吹き抜け屋根に天井を設置するほか、窓枠サッシをペアガラスに改修する。

 ロマンの湯は、エアコン24基を更新し、照明359台をLED化。断熱効果を確保するためエントランスの吹き抜け屋根に天井を設置。和室、大広間、宴会場の床を畳からフローリングへの改修やサッシのペアガラス改修も予定している。

 また、ロマンの湯は開業から26年が経過し、廃湯から温泉を温める熱交換システムも老朽化していることから熱効率化事業を提案に盛り込みシステムを更新する。

 友遊はがとロマンの湯は駐車場のカーポート設置や施設間の通路、飲食スペースなど道の駅全体で観光機能を充実させる提案も受け付ける。

 水橋分館は、1971年の完成で老朽化が著しい。耐震基準を満たしていないため耐震補強と大規模改修を計画。昨年度に設計業務を篠原設計(真岡市)に委託し、今月中にも成果品が納入される。今回の事業で太陽光発電パネルと蓄電池設備の整備を加え防災拠点としての強化を図る。

 町が活用する補助金は環境省の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する避難施設等への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」及び「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業」。

 避難所に位置付けられた公共施設で、災害時のエネルギー供給や平時の温室効果ガス排出抑制など事業継続性の向上に貢献する再生可能エネルギー設備等の導入を国が支援する。

 友遊はがとロマンの湯の電気代コストは年間各約1000万円。提案では友遊はがで300万円、ロマンの湯で270万円の削減効果を期待している。

 この補助金を活用した公募型プロポーザルを発注するのは芳賀町が県内初となる。

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