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栃木市 クリーンプラザ、基幹改良、来年5月に公告、4カ年で工事費86億、包括的業務と同時期発注

2021/09/23 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、一般廃棄物焼却処理施設「とちぎクリーンプラザ」(梓町456-32)の基幹的設備改良工事に乗り出す。ごみ処理施設を稼働しつつの施工となるため、運転管理と改修計画を綿密に調整する第3期包括的業務委託と同時期に発注。2022年5月に入札公告し、12月に契約を締結。施工期間は25年度までの4年間。運営期間は第2期包括的業務委託が満了する23年4月1日から38年3月までの15年間。総事業費(税込み)は310億6603万5000円(基幹的設備改良工事85億5948万5000円、包括的業務委託225億655万円)を見込んでいる。

 クリーンプラザは1991年3月に稼働したリサイクルセンター、共に2003年3月に稼働した焼却施設とリサイクルプラザ、07年9月に稼働した灰溶融設備で構成。日量処理能力はリサイクルセンター20㌧、リサイクルプラザ30㌧、焼却施設237㌧。

 焼却施設とリサイクルプラザは築18年、リサイクルセンターは築30年が経過。一般的な基幹的設備改良時期の15年を経過。基幹的設備改良工事に国の循環型社会形成推進交付金を導入する場合、長寿命化総合計画策定が必須。20年度事業で計画を策定した。

 ごみ処理施設は高温多湿の過酷な環境下での稼働となるため、一般の都市施設に比べ耐用年数が短い。それだけに日常の適正な運営管理、定期的な点検整備、計画的な大規模設備改良が不可欠。施設更新周期を延伸し、ライフサイクルコスト低減が求められる。

 工事は焼却施設が受け入れ供給、燃焼、余熱利用、排ガス処理の各設備、リサイクルプラザは受け入れ供給、破砕圧縮、搬送、選別の各設備、リサイクルセンターは受け入れ供給、選別、圧縮の各設備を延命化する。年間の二酸化炭素排出量3%以上削減が目標。

 蒸気タービンや発電機を改良、焼却炉と蒸気ドラム水管を更新、駆動モーター、電気変圧器を高効率化に改良。工事費(税抜き)は焼却施設71億503万1000円、リサイクルプラザ5億9743万4000円、リサイクルセンター7888万5000円と試算した。

 包括的業務委託は運転管理、維持管理、計量、ごみ処理手数料徴収、物品調達、環境管理、資源化促進、情報管理、防災管理、車両管理の全般。基幹的設備改良工事と包括的業務委託の発注支援業務は21~22年度契約で建設技術研究所(東京都中央区)に委託した。

 クリーンプラザはSRC造、S造、RC造、ALC造地下1階地上6階建て建築面積8313平方m。全連続燃焼式焼却炉(ストーカ炉)は24時間稼働の118・5㌧2基を備え、黒鉛電極式プラズマアーク灰溶融炉は日量30㌧を処理する。

 設計・施工は三菱重工業、場内電気に使用するごみ焼却熱発電は最大2500KW。包括的業務委託は第1期(06~17年度)が総合評価一般競争入札、第2期(18~22年度)は技術評価付き一般競争入札でいずれも協和エクシオが選定された。

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