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【就任会見】斉藤鉄夫国土交通大臣「安全・安心の確保が第一」

2021/10/06 本社配信

 国土交通省の斉藤鉄夫新大臣の就任会見が5日に行われ「国土交通省は国民の命と暮らしを守り、また経済成長や地方創生に直結する大変重要な分野について幅広く所管する。気を引き締めて取り組んでいきたい」と抱負を語った。特に注力する点としては、第一に「国民の安全・安心の確保」を挙げた。近年、自然災害が頻発・激甚化する中で「引き続き『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策』を着実に進めていくことが重要であり、流域治水プロジェクトを一層推進する。さらに、全国の盛り土の総点検の状況なども踏まえつつ、盛り土による災害の防止のほか、気象庁の体制強化に取り組むとともに、線状降水帯の予測精度の向上を図る。通学路等における交通安全対策も進める」とした。

 コロナ禍からの社会経済活動の確実な回復と、経済の好循環の実現にも意欲を見せ「わが国の経済成長の基盤となる社会資本の戦略的・計画的な整備、住宅・まちづくりや交通等の国土交通分野における2050年カーボンニュートラルの実現、デジタル・トランスフォーメーションの推進に取り組む」と説明。加えて「真の共生社会」の実現へ、ハード・ソフト両面からのバリアフリー化の推進、コンパクトで歩いて暮らせるまちづくり、住生活環境の充実などを図る考えを示した。

 岸田文雄首相からは、災害に強い地域づくりに向けて、線状降水帯の予測実現の取り組み前倒し、盛り土による災害防止の対策検討、高速鉄道・高速道路など地方を結ぶインフラ整備が豊かな田園都市国家を支えることに留意した道路・鉄道のミッシングリンクの解消などを指示されたとし「国土交通行政は所管が広く、どの課題も国民の命と暮らしを守ることに直結する。しっかりと職責を全うしていきたい」と意気込みを述べた。

 なお、斉藤大臣は水循環政策担当大臣も務める。


【略歴】さいとう・てつお

 1976年東京工業大学大学院理工学研究科応用物理学専攻修士課程修了。清水建設勤務を経て93年7月の衆議院議員選挙で初当選(旧広島1区)。2008年8月から環境大臣。公明党政務調査会長、幹事長、副代表などを歴任した。69歳。島根県出身。当選9回。


【写真=災害に強い地域づくりに意欲を見せる斉藤大臣】

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