記事

事業者
千葉県千葉市

概算建設費は約120億円/JR跡地に新市民会館/26年度開館へ3か年工事/千葉市

2021/10/15 日刊建設タイムズ

 千葉市は「市民会館再整備にかかる基本計画(案)」を取りまとめた。新たな市民会館の建設予定地は、中央区新千葉1―3ほかにある、敷地面積約7500㎡のJR千葉支社跡地。JR東日本の施設との複合施設となり、区分所有の場合の建設費として約120億円を概算。今後は、基本計画策定およびJR東日本との基本協定締結後、2022年1月から22年度にかけて基本設計をまとめ、23年度には実施設計を完了。24~26年度に工事を進め、26年度中の開館を目指す。建物全体の整備はJR東日本が行う見込み。市民会館部分の実施設計と工事は市が実施する方針だが、施工業者の決定方法についてはスケジュールや費用などを総合的に勘案し、市による入札等またはJR東日本が選定した建物全体の施工業者への発注のいずれかを選択することになる。

 市民会館再整備の基本コンセプトは▽市の文化芸術の振興・創造▽地域活性化、観光振興などへの貢献▽持続可能な施設・管理運営。

 JR千葉支社跡地は、JR東日本の所有地。商業地域・準防火地域に属し、建蔽率80%、容積率400%。容積率については、都市再生特別地区として800%まで緩和されるよう調整を行っている。

 延べ床面積については、現市民会館の面積を基本に、必要な面積を確保する。施設構成は設計において決定するが、大ホールについてプロセニアム形式多目的ホール・1500席程度・舞台2面、また小ホールについてプロセニアム形式多目的ホール・300席程度で検討を進める。

 そのほか、付帯的諸室(リハーサル室、楽屋、会議室)、ホワイエ・ラウンジなど共有スペース、災害用防災倉庫を含む管理運営諸室の設置を検討する。

 あらゆる人が文化芸術を鑑賞・体験・創造できるよう、ハード・ソフト両面からユニバーサルデザインへの配慮を行う。

 現市民会館に引き続き、災害時の指定緊急避難場所・指定避難所として使用するため、備蓄品や非常用の電源・トイレ等の整備、避難所としての活用を想定した施設整備などを含め、安全な建物とする必要がある。

 運営方式については、民間活力の導入を前提に幅広く検討していく。

 今後は▽年内=基本計画策定、市民団体など意見聴取、第4回定例議会に基本設計分を盛り込んだ補正予算案上程、JR東日本と基本協定締結▽22年1月~22年度=基本設計、運営方法の検討など▽23年度=実施設計▽23~25年度=運営主体の選定▽24~26年度=工事▽26年度中=開館▽27~28年度=現市民会館の解体工事等――の予定となっている。

 現市民会館は中央区要町1―1の敷地面積4515㎡に所在。建物はRC造地下1階地上4階建て、延べ床面積5992・54㎡。施設構成は大ホール(プロセニアム形式多目的ホール、1001席、楽屋5室)、小ホール(多目的ホール、316席、楽屋1室)、会議室7室、特別会議室2室。

 開館から48年を経過し、設備などの老朽化が進んでいるほか、音響設備のデジタル化、照明設備のLED化、バリアフリー化などに対応できておらず機能的な劣化も顕著となっている。

 なお、基本計画(案)に対する意見募集を11月11日まで行っている。

事業スケジュール 建設予定地の位置

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら