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栃木県小山市

小山市、城山町3丁目第2地区、再開発が都市計画決定、80mと50mのビル建設、来年度に組合設立へ

2021/10/14 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は、JR小山駅西口駅前広場に面する市街地再開発事業の都市計画決定を告示した。内容は①城山町3丁目第2地区第1種市街地再開発事業の決定(1・2ha)②高度利用地区の変更(建ぺい率50%、容積率200%以上550%以下)③地区計画の決定(歩道状空地1~4号道路、歩行者通路1~2号の新設)④用途地域の変更(商業地域指定)⑤準防火地域の変更。11月から事業計画策定に着手し、2022年度中の組合設立認可を目指す。

 06年度から権利者らが「まちづくり勉強会」の活動を開始。「再開発準備会」に移行したのは10年後の16年度。19年度に発足の「城山町3丁目第2地区再開発準備組合」(柴田尚武理事長)が本組合に昇格後、国庫補助事業導入により再開発事業を本格化させる。

 再開発コンサルタントは日本設計、事業協力者は東京建物、アドバイザーは首都圏不燃建築公社(以上東京都)が選定されている。権利者は34人。駅前一等地にもかかわらず、低未利用地が多く不燃化されていない建物混在の解消に結び付ける。

 第1種市街地再開発事業は1~2街区の建築敷地面積9970平方m。主要用途は商業・業務施設、住宅、宿泊施設、駐車場を整備。目標戸数は380戸。駅前広場機能を拡充し、接道部に歩道状空地を設置。良好な歩行者空間と緑地空間を創出する。

 1街区建物は高さ80m、延べ床面積5万5600平方m(建築面積5300平方m)。2街区建物は髙さ55m、延べ床面積7700平方m(建築面積870平方m)。幹線街路は都市計画道路3・3・101号小山駅前通り(延長33m、幅員25m)。

 区画道路は1号(延長184m、幅員7・5m)、2号(72m、6m)、3号(24m、6m)。街なか居住拠点にふさわしい都市機能の更新と土地の高度利用を図り、地区の利便性、防災性、安全性の向上に寄与する施設建築物を整備する。下水道は整備済み。

 地区計画は1街区が1ha、2街区が0・2ha。歩道状空地道路は1号(延長170m、幅員4m)、2号(55m、4m)、3号(15m、2m)、4号(20m、2m)。幅員2mの歩行者通路は1号(180m)、2号(40m)を築造。建物の色彩は都市景観に配慮する。

 壁面後退部へ設置が認められる工作物は花壇や植栽、にぎわい創出につながる撤去可能なオープンカフェセット一式、建築物の保安管理上やむを得ないもの、安全対策に欠かせない垣・柵類。2階以下部分は住宅用途への活用を制限(管理・共用用途は可)する。

 小山駅はJR4線(東北新幹線、宇都宮線、両毛線、水戸線)の結節点。新幹線は東京駅まで42分の通勤圏。地区南側は小山駅前通りや西口駅前広場が整備済み。近年は空き家や平面駐車場が目立ち、都市機能の空洞化対策、都市景観上の改善が望まれている。

 当初は比較的広い範囲で再開発を模索したものの、権利者が多いことから南街区と北街区に分割。城山3丁目旧第2地区と旧駅前地区の合同勉強会を通じ、再開発機運を醸成。事業に前向きな権利者が両街区を再編し、都市計画決定にこぎ着けることができた。

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