（一社）千葉県建設業協会、関東地方整備局、県県土整備部、千葉市建設局は10月29日、公共工事における諸課題の改善を目指す意見交換会をホテルポートプラザちば２階ロイヤルで行った。千建協の髙橋順一会長はあいさつで「日本列島を襲う自然災害は頻発化、局地化、激甚化する傾向にあり、国土と住民の安全を守る建設業界の役割は日々大きくなっている」と、地域の守り手としての使命を強調。続けて「地域建設業の安定した経営の確保・継続が重要。今回の意見交換で、地域建設業の抱える重要な課題の解消に向けて意思疎通を図りたい」と期待を寄せた。

　千建協は▽防災・減災、国土強靭化５か年加速化対策予算の当初予算特別枠での増額確保▽防災・減災、国土強靭化５か年加速化対策の着実な実施と中長期計画策定による計画的・安定的な予算の確保▽地域建設業の受注機会確保▽監理技術者等の専任義務緩和▽週休２日制における技能労働者の賃金収入確保▽現状に沿った歩掛りの見直し――を提案・要望。

　対する整備局は、２０２２年度概算要求で公共事業関係費６兆２４９２億円を求めるとともに、「防災・減災、国土強靭化のための５か年加速化対策」の推進に係る所要の経費について事項要求を行い、中長期的な見通しのもと、公共事業予算の安定的・持続的な確保を図るとした。

　受注機会の確保に関しては、災害対応を含む地域維持の担い手確保を目的とした「地域防災担い手確保型」のほか、「自治体実績評価型」「フレームワークモデル工事」「公募型指名競争入札方式」の適用工事拡大にも取り組むとした。

　監理技術者等の専任義務緩和については、20年10月施行の改正建設業法により、監理技術者補佐を工事現場ごとに専任で配置した場合、当面２現場の兼務が可能になったことを説明。請負代金額に応じた専任要件の緩和に関しては、制度に関わる内容のため本省へ伝えるとした。

　週休２日制における技能労働者の賃金収入の確保に向け、前年度を下回った労務単価について前年度と同額に据え置く特別措置を講じていると説明。引き続き、公共事業労務費調査を適切に行い、公共工事設計労務単価に反映させていくとした。

　歩掛りの見直しについては、公共事業労務費調査や建設機械損料、労務や機械等の歩掛り実態調査を毎年度実施していることを報告。適切な積算のため、引き続き調査への協力を求めた。

　そのほか、関東地方整備局は取り組みや20年度に寄せられた意見・要望への対応状況を紹介。また、千建協が活動状況について情報提供した。

　続く自由討議では、工事情報共有システム（ＡＳＰ）導入、災害発生時の燃料不足に備えた協定締結の提案が議題に上がった。

　出席者一覧

【千葉県建設業協会】

　▽髙橋順一（会長）▽小宮山房信（副会長、館山支部長）▽内山弘通（副会長、山武支部長）▽石井良典（副会長）▽田久保浩一（千葉支部長）▽尾頭博行（京葉支部長）▽宮原茂朗（市原副支部長）▽萩原仁（北総支部長）▽前田泰弘（香取支部長）▽岡田知益（銚子支部長）▽小原久幸（八日市場支部長）▽中野高明（鴨川支部長）▽石村達雄（君津支部長）▽湯浅健司（本部指名理事）▽青木孝行（本部指名理事）▽前田淳郎（青年部会会長）▽大林正章（専務理事）

【県県土整備部】

　▽池口正晃（部長）▽渡邉浩太郎（災害・建設業担当部長）▽菰田直典（次長）▽寺本孝（政策課長）▽地挽茂義（同副課長）▽御園直樹（技術管理課長）▽上田將人（同副課長）▽佐藤庸夫（建設・不動産業課長）▽桐木靖（同副課長）

【千葉市建設局】

　▽水間明宏（土木部長）▽柳澤秀諭（土木部技術管理課長）

【関東地方整備局】

　▽若林伸幸（局長）▽石橋洋信（副局長）▽見坂茂範（企画部長）▽大井裕子（建政部長）▽衛藤謙介（港湾空港部長）▽青山貞雄（技術調整管理官）▽石浜康賢（技術開発調整官）▽茂原博（建設産業調整官）▽荒井満（技術管理課長）▽後閑浩幸（技術調査課長）▽廣瀬祐一郎（建設産業第一課長）▽小島昌希（千葉国道事務所長）