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フジタが設計・施工/24年稼働目指し工事進む/バッテリー新工場新築

2021/11/09 日本工業経済新聞(茨城版)

【茨城町】 車載用リチウムイオンバッテリー業界で世界有数の㈱エンビジョンAESCジャパン(神奈川県座間市広野台、松本昌一代表取締役社長兼CEO)は、茨城町の茨城中央工業団地(2期地区)でバッテリー新工場の建設を進めている。設計・施工は㈱フジタ(東京都渋谷区千駄ヶ谷4―25―2、048―657―1630)が担当。今後の展望について、2024年中の稼働を目指す方針。初期投資額は約500億円。将来的には1000億円超の規模を投資する見通しだ。

 建設予定地は茨城町内の茨城中央工業団地2期地区で、立地面積約36haを有する。新工場は平屋とし、再生可能エネルギーの活用によるカーボンニュートラルな工場を整備する。当初の生産能力は6GWh/年で、将来的には国内最大級となる18GWh/年まで拡張する計画を描く。雇用数では当初400人を雇い入れ、将来の拡張に合わせて増員。最終的に約1000人を雇用する。

 投資額は500億円。工場拡張とともに増額して、将来的には1000億円となる。県は国内投資促進強化プロジェクト事業の一環として同社の誘致を進めており、大井川知事のトップセールスによって立地に結び付いた経緯がある。県の補助金は20億円に上る。同社ではそのほか、国からも補助金を得る予定だが、補助額は明らかにしていない。

 同社は8月4日に県と共同会見を開催。松本社長は「本格的な電動車時代において国内での持続可能な社会の一翼を担うことで、カーボンニュートラルの実現に貢献していく」とあいさつ。大井川知事は「国内最大級の18GWhまで拡張されると聞いており、雇用や関連企業の立地をはじめ、電動車生産における世界の一大拠点となるよう大いに期待している」とよろこんだ。

 共同会見には日産自動車のアシュワニ・グプタCOOが来賓として出席。同氏は「日産は50年までに車のライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルの達成を目指している。EVのパイオニアとして、世界初量産型EV『リーフ』でエンビジョンAESCとともに歩んできた。カーボンニュートラルの促進に向け、次世代リチウムイオンバッテリーを生産する新工場に大変期待している」と述べた。

 県は引き続き茨城中央工業団地の整備を進める。年明けに道路改良舗装や雨水整備工事、造成工事(第2工区)を発注するとしている。


【写真=新工場の建設が進む】

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