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栃木県烏山土木事務所

烏山土木 FCB工法で初音沢埋立て、初音橋補修と盛土を一体

2021/11/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 県烏山土木事務所が所管する国道294号初音橋の橋梁補修と河川の暗渠化を一体的に行う工事が、那須烏山市初音の初音沢で始まる。初音沢は市中心部を流れ、初音橋から上流側は埋め立てられ地下河川となっている。埋め立て工事に当たっては渡河位置の流水部をボックスカルバートで覆い、軽量な発泡コンクリートで保護するFCB(気泡混合軽量土)盛土工の採用を決めた。

 初音橋は1954年に架設された橋長24・68m、幅員が11m。架設後約67年が経過し老朽化しており、今年度は橋梁補修設計を行い盛土と合わせ施工範囲を特定。22年度の用地補償と対策工事に備える。橋梁補修設計は日本工営が担当している。

 上部工は車道部がRCアーチ、歩道部は鋼頬杖ラーメンで、下部工が逆T式橋台2基で構成。初音橋を含む294号は17年3月に市から移管され、都市計画道路旭通線から国道に昇格した。

 初音橋は市道時の15年度に実施した定期点検で3判定の健全度と診断され、県管理道路移管後に長寿命化修繕計画の対策橋梁に位置づけられた。修繕しても近い将来には架け替えが必要とされ、コストを縮減できる工法などを検討し、河川と橋梁の下部を軽量盛土で覆うFCB工法の採用を決めた。工法の検討は、パシフィックコンサルタンツが担当した。

 施工にあたり流水部は既設のボックスカルバートを利用する。橋梁詳細設計ではFCB盛土工の特性を踏まえ、橋梁補修と盛土工を一体的に行う。FCB盛土工は流水部を覆うボックスに負荷を抑え、土圧を緩和した気泡混合軽量土で盛土する工法。当初の計画では長さ24・4m、幅11・8m、河川高6・5mを盛り土して容量には1800立方mを試算した。

 橋梁は橋脚や主桁の鉄筋が露出するなど3判定。床版は2判定で漏水や遊離石灰による腐食が著しいとした。当初の計画では橋面工を主体に、歩道部構築と防護柵が48・8m、単路部の舗装170平方mを試算していた。

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