記事

事業者
栃木県栃木市

栃木市 クリーンプラザの基幹改良、12月に実施方針公表

2021/11/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は12月をめどに、一般廃棄物焼却処理施設「とちぎクリーンプラザ」(梓町456-32)の基幹的設備改良工事と第3期包括的業務委託の事業内容、事業費、事業者選定方法を示した実施方針を公表する。2022年5月に入札公告し、市議会12月定例会に契約締結承認を求める議案を提出する方向。

 基幹的設備改良工事(税抜き)は77億8135万円を見込んでいる。内訳はごみ焼却施設71億503万1000円、リサイクルプラザ5億9743万4000円、リサイクルセンター7888万5000円。包括的業務委託は10社に見積もり作成を依頼中。

 施工期間は22~25年度の4カ年間。運営期間は23~37年度の15年間。包括的業務委託は第1期(06~17年度)が総合評価一般競争入札、第2期(18~22年度)は技術評価付き一般競争入札でいずれも協和エクシオが落札した。

 現時点では基幹的設備改良工事と第3期包括的業務委託を一括発注する方向で検討しており、市議会の一部からは「別発注すべき」という声が寄せられている。基幹的設備改良工事と包括的業務委託の発注支援は21~22年度で建設技術研究所が担当する。 

 ごみ焼却施設は全連続燃焼式焼却炉(ストーカ炉)24時間稼働の118・5㌧2基を備え、日量237㌧を処理。工事費年割額は23年度7億1050万3000円、24年度21億3150万9000円、25年度42億6301万9000円。

 リサイクルプラザは機械と手選別による破砕選別処理能力が5時間稼働で日量30㌧。不燃や粗大ごみから鉄やアルミを回収し、ペットボトルやトレイを圧縮する。年割額は23年度5974万4000円、24年度1億7923万円、25年度3億5846万円。

 空き缶や空き瓶の資源ごみ選別梱包施設のリサイクルセンターは日量処理能力20㌧。スチール缶、アルミ缶、無色瓶、茶色瓶、その他に選別。蛍光灯や乾電池は専門工場に搬入し、金属やガラスを回収する。23年度に7888万5000円の全額を支出する。

 クリーンプラザは1991年3月に稼働したリサイクルセンター、共に2003年3月に稼働した焼却施設とリサイクルプラザ、07年9月に稼働した灰溶融設備で構成。焼却施設とリサイクルプラザは築18年、リサイクルセンターは築30年が経過する。

 ごみ処理施設を稼働しつつの施工となるため、運転管理と改修計画を綿密に調整する第3期包括的業務委託と一体的に発注。的確な延命化対策と長寿命化を図るとともに、二酸化炭素排出量の削減対策を実施。施設の性能の回復と向上に努める。

 ごみ処理施設は高温多湿の過酷な環境下での稼働となるため、一般の都市施設に比べ耐用年数が短い。一般的な基幹的設備改良時期の15年を経過。基幹的設備改良工事後、10年以上の稼働が環境省の循環型社会形成推進交付金の採択要件を満たす。

 クリーンプラザはSRC造、S造、RC造、ALC造地下1階地上6階建て建築面積8313平方m。設計・施工は三菱重工業。ごみ焼却熱発電は最大2500KW。包括的業務は運転維持管理、計量、ごみ処理手数料徴収、物品調達、その他を委託する。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら