国道6号小美玉道路(仮称)の具体化を図る第2回目の検討会が7日、水戸市の国土交通省常陸河川国道事務所内で開催された。現道拡幅とバイパスのルート帯2案と、その比較における評価指標について意見を交わした。総事業費については現道拡幅案が約800~900億円、バイパス案が約700~800億円を見込む。20日から2022年2月27日まで地域から意見を聴取し、概略計画の決定に向け検討を進めていく。
冒頭、常陸河川国道事務所の髙橋哲副所長は「それぞれの視点からさまざまな意見をいただければ。その上で概略計画の決定に向けた検討を進めてまいりたい」とあいさつ。
議事ではルート帯2案について議論。現道拡幅案では千代田石岡バイパスとの接続を考慮して竹原下郷交差点付近まではバイパスとし、以北区間で現道を拡幅する。事業費を約800~900億円と試算。既存の主たる構造である平面構造と同様とし、現在の2車線道路を両側に広げ、沿道から道路に直接出入り可能とする。
バイパス案では事業費700~800億円で、千代田石岡バイパス終点部から巴川渡河部付近までをバイパスとし、茨城町との市町境まで現道拡幅する。主要な道路以外は立体交差により交差点の数を減らすため、立体構造とする。沿道の土地から5~10m高く、もしくは低く整備。沿道から道路へ直接出入りできず、沿道の建物からは側道から交差点を介して出入りする必要がある。ルート帯案を含む予備設計については㈱建設技術研究所(中央区)が策定している。
また、ルート帯案を比較するための評価指標について審議した。これまでに把握した地域からの意見を踏まえて評価指標を整理。商業施設や病院等へのアクセス時間の短縮や事業期間、事業費など16指標を挙げている。
このほかアンケートやワークショップを通じて把握した、計画検討の進め方や小美玉道路への期待・懸念に関する地域の意見を報告。
同検討会では国道6号における2車線区間のうち、都市計画が未決定である小美玉市内の区間の構想段階を進めるために、周辺地域などの課題に関する検討・調整を行う。委員長は筑波大学システム情報系社会工学域教授の岡本直久氏。有識者や県、沿線市町の行政関係者が出席した。
小美玉道路は千代田石岡バイパスの事業中区間の終点から茨城町境までの小美玉市内約10㎞。2車線区間で、県都市計画の決定はされていない。
国道6号は県内区間において、現道拡幅整備事業やバイパス整備事業が実施されている。牛久土浦バイパス、千代田石岡バイパス、東海拡幅、大和田拡幅、日立バイパスⅡ期、勿来バイパスは事業中。千葉県境の取手~藤代拡幅、土浦バイパス、水戸バイパス、勝田拡幅の区間では4車線となっている。
【図=現道拡幅とバイパスの2案で検討、写真=第2回検討会でルート帯案などについて審議】