【神栖市】 神栖済生会病院(神栖市知手中央7―2―45)は病院の増築・改築工事を計画している。2022年度は実施設計を手掛け、順調ならば23年夏ごろに工事を発注。工期は1年半程度を見込む。開院については24年度後半を目標としている。2期工事のうち、1期目の整備に向け22年5月31日までに㈱内藤建築事務所(京都市)が基本設計をまとめる。1期目では病床数を50床程度を増床する計画。工事2期目については1期目の状況を踏まえながら決定する方針だ。
1期目の工事内容をみると、建物新築(RC造3階建て、延べ床面積75000㎡以下)、既存棟一部改修(RC造地下1階地上4階建て、延べ床1万1182・69㎡)、外構などがある。病床数を現在の179床から233床程度に増床する見込み。
新棟には病室のほか、救急外来室、手術室、病理検査室、放射線室などを整備。既存棟では入院患者増加に伴う給食の増量に備え、給食室や配膳台収納場所を拡張する。さらに、外来患者増加が予想されることから駐車場拡大、排水溝新設などにも取り掛かる。
なお、基本設計支援業務については㈱システム環境研究所東京事務所(中央区)が22年5月31日までの期限で担当する。
新病院整備計画は17年4月に新しい病院の再編統合基本構想として始まった。神栖市内の公的病院である鹿島労災病院(神栖市土合本町1-9108-2)と神栖済生会病院は、慢性的な医師不足に陥っており診療体制が脆弱で、救急患者や重篤患者の受け入れが不十分な状況だった。医師不足により病床利用率が低く、両病院とも赤字決算を計上する厳しい経営状態にもあったため、再編統合する運びとなった。
同病院は19年4月に鹿島労災病院と統合し地域の急性期医療(専門医療、がん診療、救急医療)を担う中核病院となり、10月には災害拠点病院に指定された。
同年7月には、先行して鹿島労災病院跡地に分院(済生会士合クリニック)が開院した経緯がある。新病院整備基本計画策定委員会では本院の具体的な内容を4回にわたって協議しており▽病院を取り巻く環境▽新病院の機能▽施設整備の考え方▽施設整備-などを話し合った。
【写真=増改築を計画する神栖済生会】