国土交通省北陸地方整備局と新潟県は9日、県庁で改正建築基準法の円滑な施行に向けた対策と、建築関連の中小企業対策の金融上の支援に関する情報の周知徹底に向けた説明会を開催。200人近い参加者が集まるなど、関心の高さを窺わせた。今回は、主催者側が①改正建築基準法関係(建築確認の円滑化対策の内容)②セーフティネット貸付、保証制度―について説明、各種制度を紹介するとともに、より良い制度の構築に向けた協力を要請した。
昨年6月20日の改正建築基準法施行に伴う建築確認の手続きについては、その円滑化が図れるよう各種情報提供等の措置を講じるとともに、金融庁や中小企業庁の協力により、建築関連産業の中小企業の資金繰り対策が講じられてきたところ。
しかし、建築関連産業は幅広く、各種措置に関する情報が必ずしも十分に行き渡っていない面があることから、関係する事業者への周知徹底を図るため、国と県の共催により説明会を開催することになったもの。
今回の説明会の対象者は、建築関連事業者(建築設計・施工事業者、建材・設備事業者、林業・木材産業事業者等)。
冒頭挨拶では、整備局都市・住宅整備課の細萱英也課長が「改正建築基準法の施行後に住宅着工が減少したことにより、様々な方面に影響を与えているが、住宅着工は現在回復しつつある」と説明。また、「社会全体の偽装に対する関心が高くなっており、困難であっても、しっかりと消費者に訴えられる仕組みにしていくことが求められている。我々としても現場等の指摘を踏まえ、今後とも改善していきたいと思っており、皆様のご理解とご協力をお願いしたい」と述べた。
説明会では、まず、新しい建築確認手続きの要点等について、整備局の小林敏彦住宅調整官が説明に立ち「今回の改正法の趣旨は適正な構造計算の確保と、耐震偽装の教訓から、とりあえず書類を出しておき指摘されたら差し替えるという習慣の根絶を図ること。そのため建築確認、検査の厳格化を審査側にお願いし、建築物の安全・安心確保を目指していたが、結果として建築現場に混乱が生じ、建築着工が大幅に減少、建築確認手続きが停滞してしまった」としながら、「全国的には最近になり、木造2階建て等の小規模建築物については、ほぼ元の水準に戻りつつある」と述べ、早期の課題解決に取組んでいることを報告。また、新しい建築確認手続きの要点を紹介した。
その他、県土木部は、1月4日から相談受付を開始した建築確認申請に係るサポートセンターの設置について説明。
サーフティネット貸付および保証制度に関しては、整備局、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、新潟県信用保証協会、県商業振興課が、各自の制度を案内した。
説明会の最後には、県建築住宅課の阿部文夫課長が挨拶し、サポートセンターの設置や設計者を対象とした改正法の趣旨・確認手続きの説明会を県内11地区で開催していることを紹介。さらに県内の構造計算適合性判定機関の設置について、来年度早期の追加指定が出来るよう関係機関と協議を進めていることを明らかにした上で、「皆様と一緒になって国民・県民の安心で安全な住まい、建築物づくりに努めてまいりたい」と締め括った。
【写真=改正法のポイント等を説明・9日、県庁】