県商工労働観光部は三十一日付で、通産・建設両省から県南地域基盤的技術産業集積活性化計画の承認を受けた。基盤技術が集積する県南四市四町（足利市、栃木市、佐野市、小山市、大平町、藤岡町、岩舟町、田沼町）の二百四十九業種（千七百七十三社）を対象に、技術力の継承、高度化、新技術開発をハード、ソフト両面から支援する制度で、二十一世紀のものづくりを企画・設計から生産まで一貫した提案型企業の拠点形成を目指す。同時に高度技能活用雇用安定地域の指定も受け、厚生施設等の整備支援も図る。

　同部ではこれに伴い、下期早期に県施設の繊維工業試験場（足利市西宮町二八七〇）、県南工業指導所（佐野市天神町九五〇）、同資源部庁舎（葛生町中央東一－一一－二八）を拠点施設として再整備するための基本計画を外部委託し、来年度から事業化する。十五年度にはハード面の県支援事業を完了させ、出荷額一兆五千億円の基盤技術高度化目標を達成したい考え。

　活性化計画は『特定産業集積活性化臨時措置法』に基づく中小地場産業の新市場開拓などによる活性化を図るため、産業集積、技術の高度化などについてハード、ソフト両面で国の支援を受ける制度。県が支援するハード事業費に対し国が五〇％を補助。参画企業も財政支援が受けられる。

　活性化計画に盛り込まれたハード事業は、県が試験・研究施設、賃貸工場、アクセス道路などの基盤を整備。市町事業では振興計画などと整合した新たな産業団地用地の立地や、高度技能活用雇用安定地域として労働環境改善を目的とした福祉施設の整備を図る。

　拠点施設となる県繊維工業試験場は敷地九、〇二一・四七㎡。Ｓ造三階建ての本館（延べ九二六・五〇㎡）のほか、染色デザイン試験棟（Ｓ造二階建て）、編織試験棟（同）、繊維科学研究室（Ｓ造平屋建て）がある。県南工業指導所は本庁舎敷地五、三八八・四二㎡に、Ｓ造二階建て本館（延べ六八二・九六㎡）、工場、機械金属試験棟、セラミック研究棟、資源部庁舎（敷地七一七・三四㎡）に本館（Ｓ造二階建て三〇八・三八㎡）などがある。

　活性化計画では両施設を新たに試作工房、賃貸研究室、多目的ルームなどを備えた地域密着型の地場産業センターにリニューアルする計画。拠点施設には企画調整、研究開発、技術交流促進などの機能を盛り込む。

　また、惣社東工業団地（栃木市）や佐野新都市開発地域（佐野市）への取引企業の立地促進、新たな工業団地、賃貸工場の設置、これら集積拠点へのアクセス道路を整備していく。

　活性化計画のハード事業項目は次の通り。

▼産業インフラ等の整備

　▽県南基盤技術支援施設整備（繊維工業試験場、県南工業指導所の再整備）

　▽新工業技術センター整備（側面的支援）

　▽産業集積活性化事業用地整備事業（公的セクターによる産業団地整備）

　▽試作開発型事業促進施設整備事業（公的セクターによる賃貸工場整備）

▼道路整備

　▽一般国道五〇号

　▽一般国道二九三号

　▽主要地方道宇都宮栃木線

　▽主要地方道佐野行田線

　▽主要地方道足利邑楽行田線

　▽主要地方道栃木藤岡線

　▽一般県道佐野環状線