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千葉県環境生活部

船橋市北部清掃工場の方法書縦覧/処理能力432t、13年度から4か年で建設

2008/02/06 日刊建設タイムズ

船橋市北部清掃工場建替事業にかかる環境影響評価方法書が船橋市から送付され、この縦覧が5日、県環境生活部環境政策課などで開始された。同事業は、市が廃棄物焼却等施設の新設を計画するもので、処理能力は432t/日、事業の実施場所は船橋市大神保町及び小野田町の各一部。現工場の隣接地に2013-16年度の4か年で新工場を建設し、16年度末の供用開始を目指す。以下、方法書による事業計画は次の通り。

 ■対象事業の目的■

 船橋市では、07年3月に「船橋市一般廃棄物処理基本計画」を策定し、循環型社会に向けた基本的方向と、長期的、総合的かつ計画的にごみの処理・リサイクルの推進を図るための施策を策定している。この中で、市内の2か所の廃棄物焼却等施設(北部清掃工場及び南部清掃工場)の老朽化を課題として取り上げ、「老朽化した清掃工場を更新することで最新の公害防止技術を導入し、環境負荷低減に努める」ことを基本方針の一つとして揚げた。

 北部清掃工場(処理能力:435t/日)は施設の稼働を1983年に開始し、主要設備の更新を92年に行っているが、施設の老朽化が著しくなっていることから、工場の建て替えを早急に実施することが必要となっている。

 このような状況を踏まえ、本事業は、廃棄物焼却等施設に求められる高次の安全性、安定性や公害防止機能、効率的な廃棄物処理機能を確保した新たな焼却等施設の整備を目的として、北部清掃工場の建替事業を行う。新たな北部清掃工場(計画処理能力:432t/日)は、地域環境との調和や循環型社会への貢献などに配慮のうえ事業を進め、2016年度末の供用開始を目指している。

 ■対象事業の規模■

 ▽廃棄物焼却等施設=432t/日(144t/日×3基)

 ■土地利用計画■

 対象事業実施区域の面積は約6万㎡で、大きく新工場建設エリア、既存工場エリア(あわせて約4万8000㎡)及び余熱利用施設エリア(約1万2000㎡)に区分される。

 新工場は、既存の北部清掃工場の北東側に建設する予定である。建築物として工場棟(煙突含む)、管理棟、計量棟等を配置し、また、緑地や駐車場、構内通路を整備する計画である。既存工場エリアでは、新工場の安定稼働後に既存工場の解体・除去を行う計画である。南東側の余熱利用施設エリアに関しては、その内容は現段階で未定である。

 なお、既存工場エリア及び余熱利用施設エリアは既にごみ焼却場として本市の都市計画に位置付けられており、当初は既都市計画決定区域内においての建て替えを計画していたが、処理方式によっては区域内で収まりきらない可能性があることから、今回、新工場建設エリアを新たにごみ焼却場として指定して建替事業を実施することとした。余熱利用施設エリアについては、ごみ焼却場の指定を解除する予定である。

 対象事業実施区域の周辺は市街化調整区域であり、土地利用は主に工場や畑、果樹園、樹林地等となっているほか、南側には夏見小室線がある。建物としては、東側に本市の知的障害者授産施設(通所)である光風みどり園があり、平屋建ての建物である。

 【新工場建設エリア及び既存工場エリア】

 ▽焼却施設工場棟=1万750㎡(既存施設4362㎡)▽破砕選別工場棟=1625㎡▽管理棟=980㎡(既存施設723㎡)▽ストックヤード=440㎡(スラグ、資源化物)▽車庫、倉庫等=360㎡▼建築物計=1万4155㎡

 ▽緑地=1万1000㎡▽駐車場=3700㎡▽構内道路=1万1600㎡▽その他=7399㎡

 ▼小計=4万7854㎡

 【余熱利用施設エリア】1万2074㎡

 【合計】5万9928㎡

 ■処理方式等■

 廃棄物焼却等施設の処理方式については、現在「船橋市北部清掃工場焼却処理方式選定委員会」において検討を進めており、ストーカ+灰溶融方式及びガス化溶融炉(シャフト式)の2方式を候補としている。今後さらに検討を進め、準備書では処理方式を決定する。

 【焼却施設】

 ▽ストーカ+灰溶融=焼却:432t/日(144t/日×3基)、灰溶融:57t/日(2基設置、1基は予備)

 ▽ガス化溶融炉(シャフト式)=焼却:432t/日(144t/日×3基)

 【破砕選別処理施設】23t/日

 ■建築計画■

 煙突高さは、建物によるダウンドラフトが生じないように、建物高さの概ね2.5倍程度とする。また、構造物の基礎については、設置する場所の地盤支持力等を十分考慮する計画である。

 (▽項目=①建築面積②高さ)

 ▽焼却施設工場棟=①1万750㎡②30~40m▽破砕選別工場棟=①1625㎡②30~40m▽管理棟=①980㎡②約10m▽ストックヤード=①440㎡②約7m▽車庫、倉庫等=①360㎡②約7m▽煙突=①-②80m(1炉1本、計3本集合煙突)

 ■工事工程■

 2013年度から16年度までの4か年で新工場を建設し、16年度末から供用を予定している。既存工場は新工場の安定稼働後に解体する計画である。余熱利用施設エリアに現在設置されている破砕選別処理施設は、本事業の工事に先立ち解体・除去する予定である。

 なお、余熱利用施設の建設工事時期は、新工場の完成に合わせて工事を行う予定である。

 ▽土地造成工事=13年度▽仮設工事=13年度▽基礎工事=13-14年度▽建築工事=14-16年度▽機械工事=15-16年度▽外構工事=16-19年度▽既存工場解体工事=18-19年度(17年度調査)

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