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神奈川県横浜市

東横線跡地活用の方向性定める/懇談会がとりまとめ

2008/02/05 日本工業経済新聞(神奈川版)

 横浜市は、四年前に廃線となった東急東横線横浜駅~桜木町駅間(西区~中区の二・一㌔)の高架下空間、駅舎等の活用方法について、地域の活性化を目的に、地元の関係者や、有識者、近隣施設、行政等からなる「東横線跡地懇談会」を設置し、検討を重ねてきたが、このほど活用にあたっての基本的な方向性をとりまとめた。線路で隔てられていた山側の既成市街地と海側のみなとみらい地区を結ぶための機能の整備するほか、アーティストの創作空間や集客性のある施設の導入を目指す。

 平成十六年一月三十日に、みなとみらい線との直通運転に伴い廃止となった東急東横線横浜駅~桜木町駅間について、市では自転車も通れる遊歩道及び駐輪場として二十三年度を目標に整備進めているところだ。

 懇談会は、市が整備に伴い生まれる高架下空間や壁面、旧桜木町駅舎などを地域活性化につながる貴重な資源として捉え、関係者に呼びかけ、十九年三月から検討を進めてきたもので、線路により分断されていた地区を結ぶ。文化芸術を中心とした集客性を持たせる。海側のみなとみらい地区と山側の高島、戸部、野毛の既成市街地とのまちづくりとの連携を図ることを基に活用方法を考えた。

 高架下の空間活用では、横浜駅東口及びみなとみらい地区と直結する場所になる旧高島町駅付近で、空間と活用して文化芸術を中心とした集客性を持たせ、創造都市の賑わいを創出するためのアトリエ・工房的利用、アート関連ショップ、博物館、集会室、インフォメーション施設、コミュニティ施設などの活用法を示した。

 二十一年度までの暫定利用がされている旧桜木町駅は、それ以降は、高架上の遊歩道の昇降口としての利用を想定しているのみとなっているが、懇談会では昇降する場をつくるだけではなく、周辺の開港の道、北仲地区、野毛地区方面へのデッキとつなぐ自転車・歩行者のネットワーク作りや、人々が集う新たな拠点として長期的整備イメージの確立を求めている。

 絵が描かれている高架下壁面は、引き続き壁画としての利用のほか、デザイン広告ボードなどの利用を提案している。

 また、高架上部の整備に当たっては、自転車の通れる遊歩道として整備するだけではなく、文化芸術などの視点を加え、イベントでの活用や、市民が憩えるスペースとするなど、魅力的な空間として整備する必要性を求めた。

 また、高架下の海側と山側を結ぶ旧高島町駅、高島町と桜木町の間にある桜木町六丁目踏切、桜木町駅寄りの紅葉坂付近の三つについて特に方針を定めている。

 旧高島町駅では、地元要望の市営地下鉄高島町駅をみなとみらい方面につなぐ出入り口の設置。桜木町六丁目踏切付近では、JR高架下など現在金網のフェンスで囲まれている部分の活用。紅葉坂周辺は、旧東横線上部(遊歩道)と紅葉坂をつなぐ歩道橋の可能性、みなとみらいゲートの可能性。今後は、この方向性に基づいて、具体的な検討を進めていく。



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