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製造プラントが起工/イネ原料のバイオエタノール/来年1月から試運転/JA全農

2008/02/27 新潟建設新聞

 全国農業協同組合連合会(JA全農)が新潟市北区で計画する「全農イネ原料バイオエタノール製造プラント」の起工式が25日に開催され、来年1月からの試運転に向けて本格的に動き出した。同プラントは、農林水産省からの「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」の採択を受けて、新潟県内で原料イネの栽培から、エタノールの製造、エタノール混合ガソリンの販売までを一貫して実証する、全国初の事業の核となる施設。施工は、三井造船、サタケ、オカドラエンジニアリング、本間組が担当し、年内の完成を目指している。

 同実証事業では、新潟県内の農家の協力を得てバイオエタノール用多収穫イネ(北陸193号など)を栽培し、コープケミカル㈱新潟工場(新潟市北区太郎代1448-3)内の敷地5621㎡を借りて建設するエタノール製造プラントでバイオエタノールを製造、隣接した全農新潟石油基地(聖籠町東港)でガソリンに直接混合し、県内20カ所のJA-SSで販売する予定となっている。

 今回起工したエタノール製造プラントでは、主に▽エタノール製造施設(液化・糖化・発酵・蒸留・脱水設備)▽発酵残渣飼料化施設(乾燥)▽籾殻ガス化施設(燃料用ガス)▽ボイラー施設(ガス燃焼施設)▽前処理施設(籾摺り、ブリケット装置)―を設置。

 多収穫イネの栽培数量は2250t/年(玄米)で、バイオエタノールの製造量は1000*キロリットル/年(無水エタノール99・5%以上)が目標。バイオエタノール混合ガソリンの製造量は3万3000*キロリットル/年を見込む。

 また、プラント内には籾殻ガス化施設を設置し、地域で発生する籾殻をブリケット(圧縮固形燃料)化して、エタノール製造施設の熱源として利用し、極力化石燃料を使用しない仕組みを計画。さらに、エタノール製造時の副生産物である発酵残渣を乾燥して、配合飼料・肥料とする取組みも行う予定。

 工事担当は、エタノール製造プラントを三井造船、籾殻ガス化プラントをサタケ、その他、オカドラエンジニアリング、本間組が施工に加わる。

 順調に進めば、年内にも施設を完成させ、平成21年1月より試運転に入り、早期の本格稼働とエタノール混合ガソリン販売開始を目指す。

 建設事業費には約12億7000万円を見込む。

 起工式に先立つ説明会で、JA全農の小池一平・営農総合対策部長は「大学や企業の研究所の実験室ではないパイロットプラントで、イネや米からバイオエタノールを製造するのは私どもが日本で初めてと認識している。なるべく早期の稼働を目指したい」との見通しを示した。


【写真=「全農イネ原料バイオエタノール製造プラント」完成予想図】

全農バイオプラント パース001227.jpg

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