鴨川市は、4日に開会する3月定例議会に新年度予算案を上程する。一般会計予算は147億9550万円で対前年度当初比18.5%増となった。企業会計は20億4044万円で同1.9%増。一般会計と特別会計、企業会計を合わせた予算総額は261億1435万円で同2.5%減。一般会計の普通建設事業費は32億3283万円で約3倍の伸び率となった。同事業費の伸び率が高くなったのは、江見・鴨川統合中学校整備事業、長狭小中一貫校(統合小学校)整備、し尿処理施設整備事業などの大型事業の事業費を計上したことによる。
江見・鴨川統合中学校については、PFI方式ではなく従来方式で実施する方針を決め、設計委託費1億2250万円、用地購入費10億1856万円、学校用地造成費1億4293万円など総額12億8000万円を計上した。設計費は測量・地質調査、造成基本設計、土木外構設計、建築基本・実施設計の委託費。
同事業は、江見中学校(宮1451)と鴨川中学校(横渚462)を統合し、新中学校を整備する。建設場所は市役所本庁舎北側の鴨川市和泉地先。敷地面積は約4万7000㎡を見込む。施設は校舎、体育館、格技館、屋外運動施設、付属施設などで構成。校舎は3階建て延べ約8700㎡、体育館は延べ約1800㎡、格技館は平屋建て延べ約660㎡の計画。
校舎は普通学級18、特別支援学級3、特別支援教室などで構成し、体育館はバスケットボールコート2面、格技館は柔道場1面、剣道場1面を設置する。また、屋外施設は300mトラック、両翼90mの野球場1面、テニスコート4面などで、付属施設は自転車置き場、駐車場(スクールバス用ロータリー含む)などを整備する。
今後の事業スケジュールは、新年度で設計、開発協議、用地取得、用地造成工事を実施し、09-10年度の2か年で建設、11年度の開校を目指す。総事業費は44億7000万円を見込む。
同事業は、今年度でちばぎん総合研究所(千葉市稲毛区小仲台2-3-12)に委託しPFI導入可能性調査を実施した。その結果、VFMは見込まれることが判明したものの、県との協議で合併特例債が見込まれ、市の一般財源の負担が大幅に緩和されることから、従来方式で進めることにした。
長狭小中一貫校(統合小)を整備
長狭小中一貫校(統合小学校)整備事業は、児童数の減少する主基小(成川35)、吉尾小(松尾寺417)、大山小(金束2)の小学校3校と長狭中学校(宮山167)を統合し、小中一貫校を整備する。校舎は、長狭中学校の敷地内に校舎を増築するとともに、同中学校の既存校舎の余裕教室を活用する。
敷地面積は約3万5511㎡。増築する校舎はS造平屋建て延べ約1200㎡の規模。教室は普通教室6、少人数教室、特別支援教室など。新年度予算には設計費1146万円、校舎改築工事費2億8830万円など総額約3億円の事業費を計上した。事業スケジュールは、新年度早々に設計を実施し、設計完了後に着工、08-09年度で建設し、09年度開校を目指す。
同校の設置は、市の最優先課題として推進することを昨年3月に確認し、施設、事業費、財源の確保などの調査研究を進めるとともに、保護者への説明を実施するなど準備を進めてきた。
し尿処理施設に事業費3億と債務負担行為
一方、し尿処理施設整備事業には事業費3億1438万円と限度額1億3441万円の債務負担行為(期間:09年度)を設定した。
同事業は、増え続ける合併処理浄化槽汚泥処理対策や施設の適切な処理能力を維持するため、汚泥脱水処理施設の更新などし尿処理施設の基幹改良工事を実施する。今年度はエスイーシー(東京都江東区佐賀1-1-16)に委託し実施設計を行った。
同センターは1982年8月に着工し、84年9月に竣工。その後、92年度から94年度にかけて施設を増設した。このうち、当初計画部分の設備が今回の更新の対象となる。処理能力は当初の施設が日量66K?、増設分が同70K?。処理方式は当初施設が凝沈オゾン砂ろ過、増設分が凝沈オゾン砂ろ過活性炭。放流先は加茂川と瀬戸川。工事の施工はいずれもクボタが担当。
このほか主要事業では、まちづくり交付金市道整備事業、小学校施設改修事業、小学校校舎耐震耐震等改修工事、中学校施設改修事業、野球場改修事業などを実施する。
まちづくり交付金市道整備事業は、まちづくり交付金を活用して、JR安房鴨川駅周辺の環境整備の一環として、市道鴨川駅馬場線(鴨川駅跨線橋)にエレベーターを設置し、高齢者や障害者はもとより利用者の利便性の向上を図る。エレベーターは東口と西口に各1基を設置する計画で、今年度、詳細設計を委託した。詳細設計はトーニチコンサルタント(東京都渋谷区本町1-13-3)が担当。新年度予算には事業費1億400万円を計上した。
小学校の校舎耐震等改修工事は、天津小学校(鴨川市天津1166)を対象に実施する。校舎は3棟で構成され、規模はRC造3階建て延べ約3696㎡。今年度は真建築設計事務所(鴨川市広場1306-12)に委託し、耐震診断を実施した。事業費は5840万円を計上。
小学校施設改修事業では、江見小、太海小、西条小、主基小の4校の耐震診断を委託するとともに、江見小学校の職員室と校長室を対象に空調設備工事を実施する。また、中学校施設改修事業では、江見中学校校舎の耐震診断を実施する。
野球場改修工事は、飛打球等による事故を未然に防止するなど野球場周辺の安全確保と施設設備の充実を図るため、市営野球場に防球ネットなどを設置する。事業費は工事費7700万円。